日本航空、成田・関空路線を一部減便−アジア8路線、座席供給量は3.6%減

  • 2009年6月16日
 日本航空(JL)は7月1日以降、成田と関空発着の一部路線を減便する。国土交通省が発着枠に関する規制「U/L(Use it or Lose it)ルール」を一時停止したことを受けたもので、対象期間は10月24日まで。景気後退や新型インフルエンザにより航空需要が低迷するなか、座席供給量を調整して収益性を確保するねらい。また、関空/釜山線では、減便に伴って運航スケジュールを変更する。対象路線、運航数などは下記の表の通り。

 今回減便を決めた路線は中国や韓国、インドなどアジアの8路線で、同路線の座席供給量をあらわす有償旅客キロ(ASK)は、当初計画から3.6%減となる。減便の対象となった便を予約済みの旅客に対しては、他の時間帯か他の曜日のJL便を代替として案内する方針。JL広報部によると、コスト削減分から収入減少分を引くと、減便により19億円の改善効果を見込む。アジア以外の路線については、「今後も検討していく」という。

 国交省の措置は、需要低迷によって航空会社の経営が圧迫されることに配慮し、減便や運休をしやすくしたもの。全日空(NH)は具体的な決定事項はないものの「有効に活用する考えはある」といい、他の航空会社でも同様の動きが出る可能性がある。

▽関連記事
国交省、成田・関空の発着枠管理を緩和−運休・減便など容易に(2009/06/15)