エバー航空、関空/ロサンゼルス線など運休・減便−インフルエンザが影響

ロサンゼルス観光局・ロサンゼルス国際空港(LACVB)アジア・パシフィック事務所セールス・マーケティング・マネージャーの今井完氏によると、BR側から通知があったのは5月末。今井氏は、これまでの需要動向を「昨年の就航からしばらくは北米線の認知不足で伸び悩んだものの、夏は堅調に推移した。景気後退で1月から3月が落ち込んだが、夏に向けて好感触はあった」と説明する。エイチ・アイ・エス(HIS)では「安定的に需要があった」といい、JTB西日本も「今年の夏休みを過ぎれば本格的に定着すると考えていた」とし、日本旅行は「伸びていたところ」とコメント。阪急交通社では、「ロサンゼルス経由の南米2コースが好調で、月間100名から150名集客していた。年末まで設定しており、影響は大きい」という。
予約済みの旅行者に対する便の振り替えなど大手旅行会社の対応状況は、概ね落ち着いている。各社ともに、主にユナイテッド航空(UA)のサンフランシスコ線やノースウエスト航空(NW)の成田経由便への振り替えで対応。成田経由でも日数は変わらないものの、出発時間や帰着時間が変わるため、関西圏以外からの利用者は前後泊が必要になるケースもあるようだ。BRのプレミアムエコノミーを好む場合、台北経由便を利用する旅行者もいるという。すでに設定済みの商品については、BR指定商品以外は同様にUAやNWの便、あるいはソウル経由などで対応する方針の会社が多かった。
▽インフルエンザの「過剰」報道が海外にも影響
台湾からの需要減少について取材に応じた各会社・団体の担当者は、異口同音にメディアの報道姿勢の影響が大きいと言及した。日本政府観光局(JNTO)によると、現在台湾政府は日本への旅行について、修学旅行以外は注意の喚起にとどめている。修学旅行は、日本の文部科学省にあたる台湾教育部が中止または延期を要請しているものの、JNTOではこの要請が一般の旅行者に心理的な影響を与えていることはないと分析。むしろ、テレビで日本語の専門チャンネルがあるなど日本の情報が集まりやすい環境の中で、日本の報道からの影響が「とにかく大きい」と指摘した。
なお、台湾観光協会東京事務所所長の江明清氏は、こうした状況のなか、両国政府に対して安全宣言を出すよう働きかけていることを説明した。