タヒチの新ヒルトンホテル3軒、日本市場の取り込み強化−改装などで質向上

  • 2009年4月28日
 タヒチのスターウッド系列の3ホテルが、1月16日から新たにヒルトンワールドワイドとフランチャイズ契約をしたことにともない、タヒチから2名の関係者が来日、今後の意気込みを語った。

 今回、新たにヒルトンワールドワイドホテルのブランドとして展開を始めたのは、ヒルトンホテルタヒチ、ヒルトンボラボラヌイリゾート&スパ、ヒルトンモーレアラグーンリゾート&スパの3軒。契約に至った背景について、3軒のオペレーションとマネジメントを請け負うサウスパシフィックマネージメント代表取締役社長ローラン・ベッスウ氏は、「これらのホテルを国際ホテルとしてより進歩させるのが目的。日本マーケットにおいては高級イメージが浸透しているヒルトンを選んだのはよい選択だった」と話す。経済危機以降、著しく減少したアメリカやヨーロッパ、オセアニアに比べ、日本からの訪問客は落ち込みが少なかったことから、「日本マーケットをさらに開拓していきたい」とヒルトンフレンチポリネシア営業マーケティング本部長ソフィー・ベッスウ氏は意気込む。

 ヒルトンブランドになった3軒のホテルは現在、質の向上を目的に約10億円が投じられ、改装や新素材導入が進めてられている。ヒルトンモーレアラグーンリゾート&スパでは、バスルームを完全にリニューアルするなど部屋の改装が11月に完了予定。ヒルトンボラボラヌイリゾート&スパは、フレンチポリネシア初となる水上2階建てのプレジデンシャルヴィラが7月に完成する。ラグーンを見ながらトリートメントが受けられるスパテラスも新設した。これらハード面への投資と同時に、日本人のニーズに沿うための研修も実施し、サービス面の向上も目指すという。

 「2009年は前年並みか若干の増加を見込んでいる。この夏にはヒルトンとしてのキャンペーンを実施し、下期のパンフレットにはヒルトンの名前で販売される。ヒルトンブランドによる効果が確実に出るのは2010年。円高による効果も期待」とローラン・ベッスウ氏は語る。

 現在、タヒチを訪れる日本人マーケット85%はハネムーナーだが、今後は新たにシニア層にもアプローチを始める。「2010年には、結婚30周年の真珠婚など、ウエディングアニバーサリープログラムを実施。もう一度思い出のタヒチに行きませんかという提案を、タヒチ真珠協会と共同でキャンペーンを実施する予定」(ヒルトンフレンチポリネシア日本アジア地区営業部長の松本三保氏)。

 ハネムーナー以外で好調なSITやインセンティブに対するアプローチも継続する。とくにタヒチアンダンス関連では、7月に開催されるヘイバ・イ・タヒチという歌とダンスのフェスティバルの人気は根強く、「すでに120室の予約が入っている」(松本氏)。また、2008年末までにヒルトンモーレアとヒルトンボラボラヌイにキッズクラブを設け、ファミリー層へも訴求するなど、幅広い層への素材充実を図っていく。