日本人の有給消化、主要国で最低−休暇は旅行が人気−エクスペディア調査

  • 2009年4月21日
 エクスペディア・ジャパンが発表した有給休暇取得実態に関する調査によると、日本人の有給休暇の平均取得日数は7.9日間で、調査対象国である欧米の主要11ヶ国中、最低であった。これによると、平均付与日数は14.9日で前回調査の08年の15日からあまり変化はないものの、平均取得日数は前回調査は8.4%であり、消化率は53.0%で3ポイント減少している。その他の国々では、フランスが平均付与日数が38日に対し、取得日数が36日、スペインが30日に対して27日であり、イタリア、ドイツ、イギリス、オーストリアの欧州6ヶ国がほぼ1ヶ月程度の有給が付与され、いずれも消化率は80%以上から90%超と高い。また、アメリカは平均付与日数は13日で調査国中最も少ないが、平均取得日数は10日で日本よりも多い。

 エクスペディア・ジャパンでは日本の取得日数が微減となった背景には、雇用不安も一員にあるのでは、としている。「昨年と比べて有給が取りやすくなったか」という質問には「取りやすくなったと感じない」が71.5%。理由として「仕事が忙しくなった」が41.%に続き、「解雇の不安があるため」が35%と多く、自由回答欄には「リストラで負担が増えた」「派遣切りのため人手が足りない」といったコメントがあったという。一方、有給が取りやすくなったと感じる人のなかには「仕事が暇になった」という回答が41%、「会社が奨励するようになった」が35%、「上司や同僚が休むようになった」が15%おり、周囲の環境が影響することを示唆した結果といえるだろう。

 なお、「有給休暇を取って実行したいこと」としては「1泊以上の国内旅行」が53.1%で最も多く、「遠出(欧州やアメリカなど)の海外旅行」が23.1%、「近場(アジアなど)の海外旅行」が20.9%と続いた。海外旅行は近場より遠出への願望が強いこともうかがえた。

 同調査の実施時期は日本では2009年3月31日から4月1日にインターネットでおこない、有効回答数は516人であった。また、その他の国の調査は2008年3月の結果となっている。