中部、09年度は路線網の維持・拡充めざす−国際線旅客は10%減予想

  • 2009年4月1日
 中部国際空港は2009年度を「大きな試練の年」と位置づけ、安全安心の追求や収益基盤の確立と拡大、財務体質の再構築と組織の強化などの重要施策に取り組む。2008年度は航空運賃の急騰や路線縮小、中部圏企業への景気後退の影響などにより航空需要が減少。2009年度も、景気低迷が継続すれば路線網の再編・縮小がさらに進むと想定する。需要の見通しは国際線旅客数が前年比9.7%減の449万人、国内線旅約数は13.8%減の501万人、便数でも国際線が週間307便(43便減)、国内線が1日74便(6便減)を見込む。こうした環境のなか、2010年の首都圏空港の容量拡大も見据えつつ、難局で収益を確保し、さらに中長期的に強固な経営基盤の構築に取り組む考えだ。

 重要施策のうち、収益基盤の確立と拡大に向けては、路線網の維持と拡充、需要拡大の基盤作りを進める。中部圏の各自治体や企業へのトップセールスによる利用促進要請などを通じて、まずは国際線の長距離路線を死守する。また、レジャー需要に回復の兆候が見られる近距離路線を中心に、新規路線の開設や増便、機材の大型化を実現するよう誘致活動を強化する。中部圏の教育旅行や北陸など周辺地域からの海外旅行、国内線からの乗り継ぎなど日本人の海外旅行需要の取り込みも進める。訪日外国人旅行者も、海外の旅行会社や航空会社、中部圏の観光業関係者と協力して誘致に取り組む。

 このほか、中長期的な取り組みとして、第2滑走路の推進や中期的な事業戦略を検討する。第2滑走路は、中部空港の完全24時間化につながるもので、地域と連携した需要拡大の取り組みの強化、地域の将来像などを含む基本構想を早期に策定できるよう進めていく方針だ。