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エジプト、多様な魅力にあわせた提案を−新旧バランスよく訴求

  • 2009年3月31日
 2009年が「日本におけるエジプト観光振興年」に選ばれたことを受け、さまざまな広報活動が予定される中、エジプト随一の有力紙でありアラブ諸国における主要なメディアでもある「アル・アハラム」新聞の編集局長、オサマ・サラヤ氏が来日。3月26日には都内でサラヤ氏を囲むメディア懇談会が開催され、エジプトの観光素材と現状について語った。

 冒頭では駐日エジプト大使のワリード・マハムード・アブデルナーセル氏がエジプト観光の特徴を話した。「多くの人にとってエジプトに出かける目的は古代の遺跡を見ること。しかしエジプトは近代化も進んでおり、パリのような町並み、海浜リゾート、ゴルフなどモダンな部分もある。バランスよく見てほしい」という。また、サラヤ氏によると、エジプトの魅力は文化の多様性にある。地中海、紅海、スエズ運河に面し、交通の要衝であったため多様な文化の交差点となったことがその理由だ。また、古いもの、新しいものが混在し、朝、砂漠のピラミッドを見学し、夜はナイトクラブで踊るといったアクティビティを1日で楽しむことも可能。かつて古代文化を目的に訪れていたヨーロッパ人観光客は現在、リゾートとしてのエジプトをめざすともいい、近代化とともに人々の興味も移り変わったことを示した。

 また、世界経済の悪化が及ぼすエジプト観光業への影響については、むしろ飛躍が望めるのではないかとの見解だ。エジプトでの観光旅行は高価ではないことを挙げ、これまで高額な旅行代金を支払ってきた人々が、不景気を機に廉価で旅行できるエジプトを訪れれば“費用対効果”の高さに気づくという。これを契機に新たな層を獲得し、またリピーター獲得にもつながるのでは、との考えだ。エジプト大使館エジプト学・観光局のイブラヒム・カリール氏によると、今年は各種メディアを通じて神殿や砂漠だけでないエジプトの周知に努める。