アマデウス、リムジンバスを世界で販売−インバウンド振興に期待

  • 2009年3月25日
 アマデウス・ジャパンとエアポートリムジンバスを運行する東京空港交通は、アマデウスのシステムを導入する旅行会社がリムジンバス乗車券の予約できるシステムの導入で提携した。東京空港交通が、自社の乗車券予約販売システムとアマデウスのGDSを連携する「アマデウス・エアポート・エクスプレス・ソリューション」を導入した。アマデウスを利用する世界中の旅行会社が、リムジンバスの東京23区内の路線の乗車券を販売できるようになる。東京空港交通では、欧米からの訪日客の取り込みを見込んでおり、2009年度にはアマデウス経由で10万人、3億円の売上をめざす。

 3月25日の記者会見で東京空港交通代表取締役社長の鈴木光男氏は、2010年の首都圏空港の再拡張にともなって羽田空港に近距離国際線が増えることから、シェアの大きなアジア圏の訪日旅行者が羽田にシフトすると予想。その場合、リムジンバスは羽田路線も運行するものの客単価が減少する。また、日暮里/成田間に成田新高速鉄道が開通して鉄道の所要時間が減少。このようにリムジンバスの経営環境が厳しくなるなか、競合する他社との差別化と販売チャンネルの拡大が必要と判断した。アマデウス・ジャパン代表取締役の大竹美保氏は、逆風の中でいかに自社の強みを出すか、いかに他社と差別化するかという東京空港交通の目的にアマデウスの商品が合致したと強調した。

 アマデウス・エアポート・エクスプレス・ソリューションはロンドンのヒースローエクスプレスや、ストックホルムのアーランダエキスプレスなどで導入済み。今回の提携により、アマデウスの端末を導入する10万店舗以上の旅行会社と3万4000店舗以上の航空会社に販路が拡大する。東京空港交通では、特にアマデウスが強い欧米からの訪日客増加に期待を寄せる。