名鉄観光、08年度の営業収益は4.8%減−純利益は6.3億円で過去最高

  • 2009年3月17日
 名鉄観光サービスは、2008年12月期(2008年1月1日〜2008年12月31日)の業績で最終損益が6億2996万円の黒字(前年:15億3157万8000円の赤字)となり、会社創立以来の最高益を達成した。前年の赤字は、退職金制度変更などで特別損失を計上したため。2008年は需要の冷えこみや中国の不振などもあり、営業収益が前年比4.8%減の190億5862万9000円、営業利益が37.4%減の8億8474万1000円、経常利益が38.4%減の9億1924万6000円と前年を下回ったが、3ヶ年中期経営計画で実現した財務基盤の強化や経営合理化策などが奏功した。

 このうち、旅行部門の営業収益は6%減の125億2000万円で、海外旅行は9%減の24億7300万円、国内旅行は5%減の100億4700万円となった。海外旅行は、景気後退や燃油サーチャージ額の上昇、航空路線の減便や機材小型化などの影響を受けた。方面別では中国が食の問題やチベット騒動、四川地震などの影響で落ち込んだのをはじめ他方面でも伸び悩んだものの、韓国はウォン安により年度後半に盛り返し前年を上回った。取扱人数は17%減の11万6000人で、韓国は2%増の3万815人となった。そのほか減少幅が少なかった方面では、オセアニアが2%減の5763人、北米が6%減の9926人となった。

 国内旅行は団体旅行が比較的堅調に推移。しかし、インターネットによる宿泊や航空券などの直販化や、同業他社との価格競争激化により個人旅行が苦戦した。国内宿泊を方面別で見ると、送客キャンペーンを展開した九州、送客支援地域の四国、2008年に地震の影響で減少していた北陸地域への送客は10%以上増加した。一方、主力の北海道や昨年送客キャンペーンを展開した沖縄への送客が大きく減少し、宿泊取扱人数は8%減の160万4000人となった。


▽海外方面別取扱人数
(方面/人数/前年比)
韓国/3万815人/2%増
中国/1万4150人/35%減
ヨーロッパ/1万170人/15%減
北米/9926人/6%減
その他アジア/7912人/16%減
台湾/7852人/27%減
グアム・サイパン/6952人/22%減
香港/6400人/32%減
オセアニア/5763人/2%減
ハワイ/5741人/29%減
タイ/5066人/18%減
シンガポール、マレーシア/2552人/33%減
その他/2652人/28%減
合計/11万5951人/17%減


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