関空、08年度は黒字の予測−1月の旅客数は14%の大幅減

  • 2009年2月27日
 関西国際空港代表取締役副社長の平野忠邦氏は2月26日の定例会見で、「現在のペースであれば今年度は黒字を維持できるのではないか」との見通しを示した。予測の根拠としては、2008年の乗り入れ便数が前年を上回り過去最高の1日あたり180.9便となったことや、国内線旅客数が前年と同じく15万3000人となったことなどを紹介。夏以降に燃油サーチャージ額が高騰して旅客数が減少し、秋以降には景気後退の影響で日本人、外国人利用者がともに前年割れとなったことや、路線の運休、減便など環境は厳しいが、平野氏は「国内線は過去最低レベルに達したものの、国際線は中国系航空会社の増便などもあり頑張っている」という。来期については、4月以降の燃油サーチャージ額の値下げや、貨物需要の復活に期待を示した。

 旅客需要の喚起に向けては、「ゴールデンウィークや夏休みの旅行をにらみ、関空旅博で喚起していきたい」と意気込みを示した。関空旅博は3月28日、29日の2日間の開催で51ヶ国が参加、120のブースを出展するという。今年は3万人の来場者をめざす。

 なお、2010年の首都圏空港発着枠拡張について平野氏は、「関空からの大幅なシフトはないだろう」と分析。2月から深セン航空(ZH)や中国東方航空(MU)が増便したことを例にあげて、中国系航空会社の関西圏への期待値が高いことを説明した。


▽2008年の国際線旅客数は6%減の1044万850人−日本人、外国人ともに減少

 関空の2008年の国際線旅客数は、前年比6%減の1044万850人となった。このうち日本人旅客数は9%減の667万9634人で、外国人旅客数も1%減の325万1978人となった。ただし、国際線の発着回数は3%増の6万1873回と増加している。

 2008年11月以降は国際線便数が約5%増加したものの、貨物便は約30%減少。国内線は1日あたり11便が減少したほか、2月、4月、10月からの減便をあわせると22便減少するという。