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タイの早期回復に旅行関連各社が協力−需要喚起キャンペーンなど実施へ

  • 2009年2月18日
 タイ日旅行業協会(TJTA)をはじめ関係各社は、タイ国政府観光庁(TAT)を中心に、タイへの旅行需要を喚起する取組みを実施する。昨年のバンコクでの空港占拠などによる需要の低迷を受けたもの。2月17日、タイへの日本人訪問者数の増加をめざしTJTAが主催した意見交換会で決定した。意見交換会にはTATや旅行会社各社、航空会社、日本旅行業協会(JATA)など、約60社・団体が集まった。今後は各社からの有志で事務局を立ち上げ、メッセージやロゴを作成して5月中旬の実施をめざす。TJTA会長の山田昇氏は、「全員で協力してインパクトのあるメッセージを伝え、円高や燃油サーチャージ額の値下げを追い風に訪問者数の増加をめざす」と話し、タイ市場の需要回復に向けて意気込みを述べた。

 タイは、バンコクでのデモや空港閉鎖などにより安全面でのイメージが悪化。こうした影響もあり、昨年のバンコク空港を利用した日本人訪問者数は前年比7.4%減の109万1692人に留まった。現在は観光客に対する諸法令の整備や、スワンナプーム空港における管理体制を見直しているものの、実際の訪問者数の回復には至っていないという。ただし、TATマーケティングマネージャーの藤村喜章氏は、「実際には、空港閉鎖よりも世界的な経済不安の影響が大きい」との見解を示した。

 意見交換会の参加者からは、一般消費者に対して安心して旅行ができることのアピールが足りないとの意見が聞かれた。特に、まだタイへ行ったことのない消費者に対して訴求力のあるメッセージが求められた。また、各社がそれぞれキャンペーン等を打ち出すにはコストがかかることやメッセージ性が弱いことから、全員で協力して進めることが重要であるとの意見が挙がった。


▽旅行会社各社、1月から3月の予約状況は厳しく−4月以降に期待

 旅行会社各社からは、1月から3月までの予約状況について「苦戦している」としたものの、4月以降の動きに注目しているとの報告が目立った。JTBでは2月と3月のセール商品を発売したところ、2月は毎週150名ほどの予約があり3月は300名ほどの予約が入っているという。安価なセール商品ではあるものの、「タイへの旅行者が増えてきているのではないか」と4月以降に期待する。エイチ・アイ・エス(HIS)では、11月、12月は前年と比べ50%程度の集客であったが、もともと若年層の利用者が多いため空港閉鎖などの影響は「あまり引きずっていない」という。現状としてホテルが取りやすいプラス面もあり、4月以降は「見た目の値ごろ感からかいい動きをしている」状況だ。


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