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JTB、海外旅行感染症セミナーを開催、新型インフルエンザ以外にも注意を

  • 2009年2月2日
 ジェイティービー(JTB)は1月29日、日本渡航医学会、ヘルスツーリズム研究所、NPOヘルスツーリズム振興機構の協力の受け、海外旅行感染症セミナーを開催した。4回目となる今回のテーマは「気になる新型インフルエンザの最新動向」。新型インフルエンザへの関心の高まりを反映して、定員を超える約110名が参加。その70%は企業の業務渡航や人事担当者、20%が高校や大学の事務担当者で占め、旅行業者は10%ほどであった。

 セミナーでは、感染症全般の基本知識や海外旅行者の健康トラブルによるリスク、一次予防、二次予防における対処法などを紹介。特に新型インフルエンザは関心が高く、企業も積極的に対応策をとっており、各担当者も知識を持っている。しかし、新型インフルエンザより高い率で感染する可能性のある旅行者下痢症や麻疹、狂犬病、マラリア、デング熱などについては、知識も対策も不十分なことが多い。一例として、プロスポーツチームや、サミットに出席する政治家といった、一般旅行者以上に予防を求められるケースでも、旅行者下痢症になった事例が上げられた。

 また、現在新型インフルエンザに変異するとされている鳥インフルエンザ(H5N1型)の流行は沈静化しており、後継候補にならない可能性が高いことも発表された。現状として、H5N1型の流行は沈静化しているが、社会全体が過度の不安状態にあること、また、新型発生の危機は引き続き持続していることも指摘された。

 講師として登壇した渡航医学センター・西新橋クリニック院長の大越裕文氏、労働者健康福祉機構海外勤務健康管理センター所長代理の濱田篤郎氏は、ともに「日本人は、ピークを過ぎると忘れやすい傾向がある。H5N1型に限らず感染症全般に関する知識を持ち、予防をするモチベーションを持続することが大切」と口を揃えた。