KNT、09年度上期は「比較されて勝つ」商品−販売人数12%増へ、常識を打破

  • 2009年1月27日
 近畿日本ツーリスト(KNT)は、2009年度上期のホリデイのテーマを「比べればホリデイ」に設定し、代金や内容で他社商品と比較された上で選ばれる商品作りを進めた。KNT執行役員・旅行事業創発本部海外旅行部長の權田昌一氏は、環境の厳しさを予測しつつ、昨年1月の組織改正以降の取り組みにより「お客様目線の商品造成ができるようになってきた」と強調。その上で、眼前の課題に「一つ一つ取り組み、お客様に支持される1年にしたい」と意欲を示した。旅行代金は「正確ではないものの、イメージとしては平均して約15%の値下げ」で、上期の販売目標は全方面合計で前年比12%増の22万人に設定した。

 KNT旅行事業創発本部海外旅行部・東日本海外仕入ホリデイ事業部長の田口久喜氏は、上期の商品について「従来の旅行会社の常識や言い分を切り崩し、お客様が望む内容はなにか、という視点に立って考えた」と言及。その結果、「間違いなく喜んで頂ける内容になったと確信している」とし、「是非他社と比べてほしい」と強調する。例えば、ハワイではホノルル空港到着後のオプショナルツアーの販売説明を希望者のみに限定し、ホテルへの移動時間を短縮。アジアでは主力の「とびっきり」商品で、土産屋への立ち寄りを省略。ミクロネシアでは帰国日のホテルを出発時間まで確保した。

 また、ラグゼ銀座マロニエが単独で展開していたラグゼ商品を、高品質・高価格なホリデイ商品に転換して全国で販売する。これまでは、発生ベースで手配していたが、ホリデイのシステムで管理するほかパンフレットも作成し、KNTツーリストと提携販売店で取り扱えるようにする。平均価格帯はこれまでが約150万円であったのに対し、80万円から100万円程度とする。従来のラグゼ銀座マロニエの顧客に対しては、ラグゼ商品をベースにした特別手配で対応する。


▽チャーター活用を継続、「記念」商品も

 上期では、昨年度に続きチャーター便の活用を継続し、5ヶ月前から商品を展開することで販売を促進する。ロタ島へのチャーターは、東日本からは昨年度と同じ17本を設定する予定であるほか、スイスは2本増の4本設定する計画。またグアムやサイパン、ハワイには、ゴールデンウィークやお盆期間など繁忙期にも設定する。

 ハワイ州50周年や、航空会社の就航、ホテルの設立の周年記念、消費者の結婚記念日など、「記念」を前面に打ち出した商品も企画。さらにパンフレットを方面別、需要層別に細分化し、多様化する消費者のニーズに対して、より詳細に情報を提供できるようにした。特に、ヨーロッパ方面は11冊に分冊した。


▽KNT、2009年度上期の全国販売目標人数
(方面/人数/前年比)
ハワイ/4万6000人/2%増
ミクロネシア/3万6000人/8%増
アメリカ/1万人/10%増
ヨーロッパ/2万人/28%増
アジア/8万1000人/14%増
オセアニア/1万3000人/16%減
中国/1万4000人/121%増
合計/22万人/12%増