ルックJTB、09年度は商品革新を始動−品質、価格、企画の強化で目標133万人
JTBワールドバケーションズ(JTBW)は2009年度を商品革新のスタートの年とし、品質、価格競争力、企画を強化していく。代表取締役社長の北島文幸氏は2009年度のマーケット環境について、「海外旅行市場の停滞は長期化し、これを前提とした経営が必要」と述べ、ホールセーラーには「需要喚起ではなく、自ら需要を創造する仕組み、努力が求められる年」との認識を示した。その上で「最大の課題はお客様視点、販売店の立場に立った商品作り、仕入れの改革」と語り、09年度は品質を保証しつつ価格競争力を実現したと説明。また、催行保証も拡大し、ヨーロッパでは主力パンフレットの取扱人員の3割を占める3コース、計255日で2名催行を実現するなど、予約のしやすさを意識した。「2009年は選択と集中がはじまる年。変化には変化を、スピードにはスピードで対応したい」と述べ「商品には大いに自信がある」と強調した。2009年度は前年比3%増の133万人の取扱を目標とする。
上期のポイントは(1)お客様の声の反映による快適性、利便性の向上、(2)約束の商品反映による安心と信頼、(3)新しい旅の提案、(4)環境問題への取組みの4点で、内容型商品と価格型商品の双方を充実し、あらゆる客層に対応する商品を展開。このうち(1)の快適性、利便性の向上では、ツアー参加者や販売店、インターネット調査など、多くの声を反映させ、現地でのサービスを強化。例えばOLI‘OLIハワイでは「オアフ島縦断コース」を開始するほか、グアムでもルックJTB専用シャトルバスを投入。また、航空会社の減便、運休による成田集中化への対策としてアドオン施策を強化し、国内線乗り継ぎ案内をパンフレット前面に掲載する。
このほか、商品別ではハネムーン、海外ウエディングなど目的・テーマ別商品や富裕層向け商品を強化。方面別ではヨーロッパ、ハワイ、アジアを重点とし、新デスティネーションでは「ロシアとその先の国々」を単独パンフレットで展開。一方で、価格型商品も強化するとともに、規制緩和を受けてバルト3国などチャーター利用商品も積極展開、買取も検討していく。
なお、2009年度は旅行代金は燃油費込みの総額表示で販売。燃油費込みの平均価格は前年に比べ値下げ傾向にあり、燃油費込みで比較すると前年比15%減(3万2000円安)で、燃油比を除いた金額での比較でも2%減と安くなる。方面別では、例えばヨーロッパの平均額は前年より6万7000円減少した。4月以降の燃油費がさらに引き下がる予想もされるが、それによる価格変更は予定していないという。
▽08年度は8%減の128.9万人の見込み−「目的型」や「明快なコンセプト」は好調
2008年度の取扱人員は8%減の128万9000人で、JTBWとなった04年度以降、初めてマイナスとなる見込み。販売額は近距離方面が好調だった半面、長距離方面が不振で10%減の予想だが、経常利益は黒字を確保する見通しだ。厳しい状況の影響があったが、ハネムーンやウエディングは前年比1%増と前年を上回り、特にハワイの「スイートメモリー」商品は130%増の好調であることから、目的型の旅行は成果を出せたと評価する。また、ファミリー層は46%減と大きく減退したものの、方面ごとの分かりやすさを打ち出した商品「わいわいファミリー」は前年実績を上回った。取締役商品本部長の堀江伸也氏は「お客様目線で商品価値高め、コンセプトが明快で分かりやすい商品は支持される」と語り、今後の商品の方向性を示した。
▽新システム「LOOKS(ルックス)」で質と量の拡大へ
2009年の基本方針では、商品革新と同時にコスト構造改革も進める。パンフレット改革などの経費削減策を実施して商品力を強化するほか、新システム「LOOKS」の活用による業務効率化を実現。LOOKSは上期商品の販売開始にともない、1月16日から本格稼動するが、すでに早期販売商品で機能しており、北島氏は「販売業務では12%、商品造成では15%の削減が可能」で、販売店からも「きわめて好評な反応」を得られているとアピール。商品形態に拘らないシームレスな販売が可能になることから、海外総合販売体制を実現したほか、全素材を管理しており、パッケージの別手配が不要になる一方で、コース別の一括手配も残しており、即答が可能で、北島氏は「お客様にとっても利便性あるシステム」と自信を示す。その上で「質と量の拡大が実現でき、大きな武器になる。多品種少量販売といわれるが、多品種大量販売をしていきたい」と意気込みを示した。
▽2008年度取扱人員見込み(方面/人数/前年比)
ハワイ/23万3000人/11%減
ミクロネシア/23万8000人/4%減
アメリカ/6万3000人/7%減
ヨーロッパ/14万5000人/14%減
アジア/49万5000人/2%増
中国/5万人/40%減
オセアニア/6万5000人/31%減
合計/128万9000人/8%減
▽2009年度通期販売目標人数(方面/人数/前年比)
ハワイ/23万人/1%減
ミクロネシア/23万5000人/1%減
アメリカ/6万3000人/増減なし
ヨーロッパ/16万8000人/16%増
アジア/49万5000人/増減なし
中国/7万7000人/54%増
オセアニア/6万2000人/5%減
合計/133万人/3%増
▽2009年度上期平均旅行代金(方面/燃油費込みでの前年比/減少額)
ハワイ/13%減/2万8000円
ミクロネシア/15%減/1万8000円
アメリカ/15%減/4万6000円
ヨーロッパ/15%減/6万7000円
アジア/18%減/2万3000円
中国/15%減/1万6000円
オセアニア/19%減/5万5000円
全体/15%減/3万2000円
※訂正案内(編集部 1月26日 11時00分)
誤:▽2009年度上期販売目標人数(方面/人数/前年比)
↓
正:▽2009年度通期販売目標人数(方面/人数/前年比)
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上期のポイントは(1)お客様の声の反映による快適性、利便性の向上、(2)約束の商品反映による安心と信頼、(3)新しい旅の提案、(4)環境問題への取組みの4点で、内容型商品と価格型商品の双方を充実し、あらゆる客層に対応する商品を展開。このうち(1)の快適性、利便性の向上では、ツアー参加者や販売店、インターネット調査など、多くの声を反映させ、現地でのサービスを強化。例えばOLI‘OLIハワイでは「オアフ島縦断コース」を開始するほか、グアムでもルックJTB専用シャトルバスを投入。また、航空会社の減便、運休による成田集中化への対策としてアドオン施策を強化し、国内線乗り継ぎ案内をパンフレット前面に掲載する。
このほか、商品別ではハネムーン、海外ウエディングなど目的・テーマ別商品や富裕層向け商品を強化。方面別ではヨーロッパ、ハワイ、アジアを重点とし、新デスティネーションでは「ロシアとその先の国々」を単独パンフレットで展開。一方で、価格型商品も強化するとともに、規制緩和を受けてバルト3国などチャーター利用商品も積極展開、買取も検討していく。
なお、2009年度は旅行代金は燃油費込みの総額表示で販売。燃油費込みの平均価格は前年に比べ値下げ傾向にあり、燃油費込みで比較すると前年比15%減(3万2000円安)で、燃油比を除いた金額での比較でも2%減と安くなる。方面別では、例えばヨーロッパの平均額は前年より6万7000円減少した。4月以降の燃油費がさらに引き下がる予想もされるが、それによる価格変更は予定していないという。
▽08年度は8%減の128.9万人の見込み−「目的型」や「明快なコンセプト」は好調
2008年度の取扱人員は8%減の128万9000人で、JTBWとなった04年度以降、初めてマイナスとなる見込み。販売額は近距離方面が好調だった半面、長距離方面が不振で10%減の予想だが、経常利益は黒字を確保する見通しだ。厳しい状況の影響があったが、ハネムーンやウエディングは前年比1%増と前年を上回り、特にハワイの「スイートメモリー」商品は130%増の好調であることから、目的型の旅行は成果を出せたと評価する。また、ファミリー層は46%減と大きく減退したものの、方面ごとの分かりやすさを打ち出した商品「わいわいファミリー」は前年実績を上回った。取締役商品本部長の堀江伸也氏は「お客様目線で商品価値高め、コンセプトが明快で分かりやすい商品は支持される」と語り、今後の商品の方向性を示した。
▽新システム「LOOKS(ルックス)」で質と量の拡大へ
2009年の基本方針では、商品革新と同時にコスト構造改革も進める。パンフレット改革などの経費削減策を実施して商品力を強化するほか、新システム「LOOKS」の活用による業務効率化を実現。LOOKSは上期商品の販売開始にともない、1月16日から本格稼動するが、すでに早期販売商品で機能しており、北島氏は「販売業務では12%、商品造成では15%の削減が可能」で、販売店からも「きわめて好評な反応」を得られているとアピール。商品形態に拘らないシームレスな販売が可能になることから、海外総合販売体制を実現したほか、全素材を管理しており、パッケージの別手配が不要になる一方で、コース別の一括手配も残しており、即答が可能で、北島氏は「お客様にとっても利便性あるシステム」と自信を示す。その上で「質と量の拡大が実現でき、大きな武器になる。多品種少量販売といわれるが、多品種大量販売をしていきたい」と意気込みを示した。
▽2008年度取扱人員見込み(方面/人数/前年比)
ハワイ/23万3000人/11%減
ミクロネシア/23万8000人/4%減
アメリカ/6万3000人/7%減
ヨーロッパ/14万5000人/14%減
アジア/49万5000人/2%増
中国/5万人/40%減
オセアニア/6万5000人/31%減
合計/128万9000人/8%減
▽2009年度通期販売目標人数(方面/人数/前年比)
ハワイ/23万人/1%減
ミクロネシア/23万5000人/1%減
アメリカ/6万3000人/増減なし
ヨーロッパ/16万8000人/16%増
アジア/49万5000人/増減なし
中国/7万7000人/54%増
オセアニア/6万2000人/5%減
合計/133万人/3%増
▽2009年度上期平均旅行代金(方面/燃油費込みでの前年比/減少額)
ハワイ/13%減/2万8000円
ミクロネシア/15%減/1万8000円
アメリカ/15%減/4万6000円
ヨーロッパ/15%減/6万7000円
アジア/18%減/2万3000円
中国/15%減/1万6000円
オセアニア/19%減/5万5000円
全体/15%減/3万2000円
※訂正案内(編集部 1月26日 11時00分)
誤:▽2009年度上期販売目標人数(方面/人数/前年比)
↓
正:▽2009年度通期販売目標人数(方面/人数/前年比)
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