外務省、中国・四川省全域で危険情報引き下げ−チベットも渡航の是非検討に

  • 2009年1月13日
 外務省は1月8日、中国の一部地域に発出していた危険情報を引き下げた。対象地域は、「青海省、甘粛省、四川省甘孜チベット族自治州及びアバチベット族・チャン族自治州(九寨溝、黄龍の景勝地を除く)、新疆ウイグル自治区(アフガニスタンとの国境付近を除く)」とチベット自治区。治安の好転や震災の被災地の復旧が見られることから引き下げを決定した。これにより、特に四川省の商品や、ウルムチやトルファンなどシルクロード関連の商品造成にはずみが付くことが予想される。

 青海省・甘粛省・四川省などの地域は、「渡航の是非を検討してください」から「十分注意してください」に引き下げた。四川省は九寨溝や黄龍など人気の観光地が多く、日本の旅行業界からの引き下げへの要望が高かったため、日本旅行業協会(JATA)と中国国家観光局が08年8月末に現地を視察し、結果を外務省に報告。その結果、10月17日に九寨溝や黄龍について限定的に引き下げられた経緯があった。

 今回の引き下げにより、旅行会社としては九寨溝・黄龍、四姑娘山でのハイキング、シルクロード関連などの商品を、積極的に展開できるようになる。例えばJTBワールドバケーションズでは、「引き続き『十分注意』であり、浮かれるべきではないが、自信を持ってしっかりした商品を作れるようになった」と説明。タイミングとしても、夏のシーズンに向けて準備期間が取れるため、歓迎の声が聞かれた。

 一方、チベット自治区は「渡航の延期をお勧めします」から「渡航の是非を検討してください」に引き下げられた。外務省では、「治安は好転している模様」であるものの「引き続き注意が必要」としている。