日本観光協会、「我慢とチャレンジで観光立国の礎を」−賀詞交歓会を開催

  • 2009年1月9日
 日本観光協会会長の中村徹氏は観光関係者新年賀詞交歓会において、現在の厳しい状況を踏まえながらも「世の中の構造が新しいものにうつり変わる時」ととらえ、「今年こそ(厳しい状況を)我慢しながらもチャレンジすることで観光立国の礎になる」と挨拶した。具体的なチャレンジの例としては、日本人が外国人の受け入れに消極的との調査結果について、イン/アウトともに「日本人が外国人に対してホスピタリティを持つ」ようにすることが必要と述べた。また、国内観光については、団体旅行から個人旅行へシフトしていることから、ファミリー、中高年、青少年の教育旅行などターゲットを絞りながら新たな旅行形態に対応する必要性を語った。

 国土交通副大臣の加納時男氏は、観光業成長の切り口は「経済、政治、文化」の3点であるとし、観光が地方活性化に繋がることや文化に触れられるものであることなどを伝えた。さらに、観光庁設立を契機にビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)を促進するとして、「2010年の1000万人が厳しいのであれば2020年に2000万人達成をめざす。苦しい時こそ前向きに進むべき」だと強調した。


▽七条明議員、中国人富裕層の誘致に向けた新たな入国審査の可能性を示唆

 自民党観光特別委員会委員長の七条明氏は、中国人富裕層の誘致に向けた取組みとして、ICカードを利用した出入国手続きの構想を語った。これは、生体認証を利用したICカードにより日本への出入国をしやすくすることで誘致を図ろうというもの。現在、観光庁をはじめ、法務省や外務省を含めて検討している段階だという。