HIS、09年は「逆風」も強み活かしてプラス成長へ−08年10月期は増収減益
エイチ・アイ・エス(HIS)の2008年10月期(2007年11月1日〜2008年10月31日)の連結業績は、売上高が1.7%増の3683億8400万円、営業利益が7.2%減の59億200万円、経常利益が17.4%減の62億400万円、当期純利益が45%減の24億8700万円となった。ホテル事業は好調であったものの、旅行事業が燃油サーチャージの値上げや景気後退、中国方面の落ち込みなどの影響を避けられず、増収減益となった。旅行事業単体の数値は、売上高が1.7%増の3658億9300万円となったものの、営業費用が1.8%増の3573億7300万円となり、営業利益は2.6%減の85億2000万円となった。
2009年10月期(2008年11月1日〜2009年10月31日)の連結業績予想は、売上高が4.0%増の3830億円(中間期:2.1%増の1770億円)、営業利益が23.7%増の73億円(同:17.7%増の30億円)、経常利益が16.2%減の52億円(同:37.5%減の17億円)、当期純利益が20.6%増の30億円(同:37.5%減の10億円)を予想している。
HIS代表取締役社長の平林朗氏は、09年10月期の見通しについて、「燃油サーチャージの値下げや円高で若干の追い風はあるが、全体としては逆風」と分析。その一方、世界的な景気後退により、航空座席やホテルの客室の稼働率が低下すると、「HISのように販売力があり、間際販売に強い会社にはプラス」とし、逆風でも成長は可能との認識を示す。需要についても、円高がメディアで注目されるようになった11月中旬以降、韓国をはじめとするアジア諸国やロンドンなどが「急増」。方面にもよるものの、取扱人数が50%増から60%増で推移しているデスティネーションもあって全体では2ケタの増加を続けており、「取扱人数と売上高はそれなりに堅調に伸びる」予測だ。
また、08年10月期では約100億円の規模であったインターネット販売も好調で、現在は100%増で推移。法人需要も、「出張経費削減の流れの中で、HISで経費削減ができる場合もあり、月にもよるが20%増で伸びている」という。法人旅行は、08年10月期では団体旅行との合計で約320億円で、約7割から8割を法人旅行が占めるという。
航空会社によるゼロコミッションの導入も、「全体に占める公示運賃のシェアは高くなく、ダメージは限定的。むしろ販売量が多く、比較的に良い条件で契約できるのではないか」と語り、HISにとっては有利に働く可能性もあると説明。すでに顧客からの手数料収受も開始し、「比較的スムーズに受け入れてもらえた」という。手数料収受とボリュームインセンティブによる増収が、ゼロコミッションによる減収分を上回るとの予測だ。
▽09年10月期、チャオの高付加価値など取り組み−「世界的旅行会社」の準備も
09年10月期の取り組みのうち、航空券販売では価格優位性に加えてアレンジ力や海外でのサポート体制の充実などを進める。航空券やホテルだけでなく、レンタカーやオプショナルツアーなどの販売サイトも新設する。パッケージツアーでは、チャオの価格訴求型商品を打ち出すだけでなく、高付加価値商品の拡充もはかる。ターゲットを明確化した企画商品も充実するほか、シニア層や富裕層に対してインプレッソでの集客強化を進める方針。また、法人旅行では、大都市圏だけでなく業務渡航の需要が見込める地方地域への進出を加速する。
さらに、海外展開では、営業拠点のさらなる拡充など「世界的な旅行会社をめざす準備」を進める。日本からの受け入れ態勢と仕入機能強化に加え、新たな観光地開発や商品開発の積極化、海外現地発の旅行取り扱いなどの準備を推進する。
2009年10月期(2008年11月1日〜2009年10月31日)の連結業績予想は、売上高が4.0%増の3830億円(中間期:2.1%増の1770億円)、営業利益が23.7%増の73億円(同:17.7%増の30億円)、経常利益が16.2%減の52億円(同:37.5%減の17億円)、当期純利益が20.6%増の30億円(同:37.5%減の10億円)を予想している。
HIS代表取締役社長の平林朗氏は、09年10月期の見通しについて、「燃油サーチャージの値下げや円高で若干の追い風はあるが、全体としては逆風」と分析。その一方、世界的な景気後退により、航空座席やホテルの客室の稼働率が低下すると、「HISのように販売力があり、間際販売に強い会社にはプラス」とし、逆風でも成長は可能との認識を示す。需要についても、円高がメディアで注目されるようになった11月中旬以降、韓国をはじめとするアジア諸国やロンドンなどが「急増」。方面にもよるものの、取扱人数が50%増から60%増で推移しているデスティネーションもあって全体では2ケタの増加を続けており、「取扱人数と売上高はそれなりに堅調に伸びる」予測だ。
また、08年10月期では約100億円の規模であったインターネット販売も好調で、現在は100%増で推移。法人需要も、「出張経費削減の流れの中で、HISで経費削減ができる場合もあり、月にもよるが20%増で伸びている」という。法人旅行は、08年10月期では団体旅行との合計で約320億円で、約7割から8割を法人旅行が占めるという。
航空会社によるゼロコミッションの導入も、「全体に占める公示運賃のシェアは高くなく、ダメージは限定的。むしろ販売量が多く、比較的に良い条件で契約できるのではないか」と語り、HISにとっては有利に働く可能性もあると説明。すでに顧客からの手数料収受も開始し、「比較的スムーズに受け入れてもらえた」という。手数料収受とボリュームインセンティブによる増収が、ゼロコミッションによる減収分を上回るとの予測だ。
▽09年10月期、チャオの高付加価値など取り組み−「世界的旅行会社」の準備も
09年10月期の取り組みのうち、航空券販売では価格優位性に加えてアレンジ力や海外でのサポート体制の充実などを進める。航空券やホテルだけでなく、レンタカーやオプショナルツアーなどの販売サイトも新設する。パッケージツアーでは、チャオの価格訴求型商品を打ち出すだけでなく、高付加価値商品の拡充もはかる。ターゲットを明確化した企画商品も充実するほか、シニア層や富裕層に対してインプレッソでの集客強化を進める方針。また、法人旅行では、大都市圏だけでなく業務渡航の需要が見込める地方地域への進出を加速する。
さらに、海外展開では、営業拠点のさらなる拡充など「世界的な旅行会社をめざす準備」を進める。日本からの受け入れ態勢と仕入機能強化に加え、新たな観光地開発や商品開発の積極化、海外現地発の旅行取り扱いなどの準備を推進する。