JATA、ゼロコミッションの再考求める−日系2社に要望書を提出

  • 2008年12月10日
 日本旅行業協会(JATA)は、日本航空(JL)と全日空(NH)の2社に対して、ゼロコミッション導入の再考を求める要望書を提出した。当初は、会員各社に対して実施したアンケートの内容に基づいて、航空会社の直販に対する販売手数料の導入やBSPのネット清算への移行などを求める方針であったが、先ごろに開催した海外旅行委員会での討議の結果、内容を練り直すこととなっていた。

 この背景には、日本発の国際航空券の70%から80%が旅行会社経由で流通している現状のなかで、航空会社は旅行会社の役割を再認識すべきとの会員社の意思も窺える。同じアンケートでも、「航空会社は日本市場の特殊性から旅行会社の存在を再認識し、発券手数料ではなく旅行会社への販売委託料と捉え、航空会社の必要経費と考えるべき」との回答が寄せられていた。

 なお、この要望書に対してNHでは、「まずは受理し意向を理解した」としつつ、「慎重に検討を重ねて出した結論」であることから、即座に再考を検討する段階ではないと説明している。


▽関連記事
JATA、航空会社に「公平な競争環境」要望へ−ゼロコミッション対策で(2008/12/01)

全日空、来年上期から発券手数料を廃止−「対等な取引関係」に理解(2008/11/19)

JATA奥山氏、ゼロ・コミッションの流れに「共存が重要」−要望も視野(2008/10/16)

日本航空、4月からゼロコミッションへ−旅行業界の勢力図への影響は必至(2008/10/15)