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レイルヨーロッパ、スイスの「鉄道+世界遺産」でセミナー−政観も積極攻勢

  • 2008年12月1日
 レイルヨーロッパは11月28日、スイス政府観光局と「シーニック・ルート・エクスペリエンス」セミナーを開催し、スイスでの鉄道旅行の最新情報を伝えた。スイスでは、今年7月に「レーティッシュ鉄道アルブラ線/ベルニナ線と周辺の景観」が世界遺産に登録されたばかり。スイス政府観光局局次長の阿部かすみ氏は、「日本人の好きな世界遺産と鉄道を組み合わせることができる」と語り、治安の良さや、日本では減少している食堂車での食事体験などをアピールして需要を喚起する方針を説明。すでに、世界遺産への登録後、旅行会社からの問い合わせも「非常に多くなっている」という。2008年の日本人訪問者数は、現在のところ前年比約10%減で推移しているが、「2009年も予算は減らさず、積極的にプロモーションを展開する」姿勢だ。

 セミナーでは、スイストラベルシステムの情報を紹介したほか、レーティッシュ鉄道と、「ゴールデンパスライン」の現地担当者が2009年の変更点やセールスポイントを説明。スイストラベルシステムは、スイス国鉄をはじめ、同システムに加盟する鉄道、ポストバス、湖上汽船、38都市の都市交通機関で利用できる鉄道パス。ユーレイル系の鉄道パスでは、氷河急行などのルートで乗車券として利用できないなど制約が多く、スイスを中心に鉄道旅行を考える場合はスイストラベルシステムの方がメリットが大きい。

 レイルヨーロッパ在日代表の加々美恵理氏は、新しい情報として、イタリアへの移動が、トンネルが開通したことで時間が短縮されたことや、朝9時までに駅で荷物を預けると18時以降に目的地の駅(45ヶ所)で荷物を受け取れる「ファスト・バッゲージ」のサービスなどを紹介。

 レーティッシュ鉄道担当者からは、ダボス/ツェルマット間のプレミアム・グレーシャー・エキスプレスで、イヤホンを使った日本語を含む多言語のガイディングシステムが導入されるほか、蒸気機関車の運転席に同乗できる新プログラムなどを紹介。また、座席が取りにくい場合の対応について阿部氏は、「エキスプレスのパノラマビューも良いが、普通列車でも10分程度しか所要時間が変わらず、窓をあけて外の空気を感じられる」と語った。また、ゴールデンパスライン担当者は、2009年の運行スケジュールについて説明したほか、チョコレート工場やグリュイエールでのチーズ工場の見学などを組み合わせた「チョコレートトレイン」について紹介した。