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インド・ムンバイで同時テロ、日本人も被害−各社とも情報収集急ぐ

  • 2008年11月27日
 外務省領事局邦人テロ対策室によると、インドのムンバイで現地時間11月26日午後9時30分(日本時間27日午前1時)、ホテルや駅などをねらった同時テロが発生した。80名を超える被害者が出ているとの報道もあり、日本人1人もホテルのロビーで襲撃を受け死亡し、別の1人も負傷した。タージマハルホテルとオベロイホテルでは、現在も武装勢力が人質をとって立てこもっている。被害の全体像は確認中であるものの、「欧米系も含めて多数の旅行者がいるのは事実で、スポット情報の発出などの注意喚起をする方針」という。

 旅行会社各社は、情報収集を急いでいるところ。ただし、パッケージツアー参加者でムンバイに滞在しているケースは少ないようだ。ジェイティービー、エイチ・アイ・エス、近畿日本ツーリスト、阪急交通社、日本旅行、グローバルユースビューロー、ユーラシア旅行社、エス・ティー・ワールド、インド専門のアショカツアーズを催行するビーエス観光では、現時点ではツアーや団体の参加者でムンバイに滞在中の旅行者はいないと回答しており、今後の催行については検討中。グローバルユースビューロー代表取締役会長の古木康太郎氏は、「ムンバイの近くに行くコースはあるが、ムンバイには寄らない。旅行会社としてリスクを意識し、そうしたリスクのある都市に近寄らないルートを取っている」と語り、「外務省の危険情報について、事前に旅行者にしっかりと説明することが絶対に重要」とし、旅行会社の義務を強調した。

 また、オペレーターでも、エーペックスインターナショナル、インダス・ヘリテイジ、インディアナ・トラベルズ・プライベート・リミテッドが、現在取り扱い中の旅行者はいないと回答している。ただし、「今は滞在していなくても、会社によっては、アジャンタやエローラに滞在中で、これからムンバイに戻ってくるツアーがあるのではないか」との声もあった。

 なお、全日空(NH)では27日以降のムンバイ線について、成田発、ムンバイ発ともに運航する予定であるものの、27日の成田発については「最悪の場合引き返すことも念頭においている」という。

 襲撃を受けたホテルのうち、運営するタージホテルズ・アンド・リゾートはホームページ上で現在の状況について「ホテル内、および周辺で警察や政府関係機関と協力し、宿泊客や従業員の安全性の確保に取り組んでいる」とコメント。さらに、「現在、伝えられることはすべて」と付記し、「早期の正常化に向けた最大限の努力を惜しまない」と、厳しい状況を伝えている。