スイス政府観光局、自然を楽しむアクティビティ「スイス・モビリティ」を紹介

  • 2008年11月20日
 スイス政府観光局は今年4月から、自然に配慮したアクティビティ「スイス・モビリティ」を開始した。これはデスティネーションとして持続可能性を配慮し、自然を楽しみながらも快適な旅行が楽しめることをコンセプトとする旅行を楽しんでもらおうという取り組み。スイスの政府機関や民間企業などが協力し、公共交通機関と連携し、サイクリングやハイキング、マウンテンバイク、インラインスケート、カヌーを楽しむ提案。日本での県などに当たる「カントン」という行政区分を超えるルートをナショナルルート、それ以外の場合で45キロメートル以下はリージョナルルートとし、合計169ルートを設定。今年春からの開始で、ヨーロッパで旅行会社が販売を開始しており、スイス政府観光局エグゼクティブ・ヴァイスプレジデントのウルス・エバーハルト氏によると、「専門旅行会社を中心に想定以上の集客をしたと聞いている。来年にはトンプソン、TUI、クオニイなどの大手から、中国やアメリカでも販売を開始する」といい、社会的に関心の高まる「エコ」を意識した旅行の促進につなげる。

 スイス・モビリティは専用サイトを立ち上げており、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語で情報を網羅。自転車やハイキングで移動した際の宿泊施設の案内など、旅行者への情報提供を行っているほか、紹介する施設も自転車の補修やハイカーの受け入れなどのサービス面も整っているという。


▽日本市場では鉄道など既存の交通を利用した「自然」を訴求へ

 スイス政府観光局はこの数年、テーマのある旅を提案してきているが、今回は「スイス・モビリティ」のコンセプトも活かしながら、冊子「スイス絶景ルートの旅」を作成、スイス交通ガイドとあわせて鉄道の旅を打ち出す。スイス・モビリティは、日本市場では「スイス訪問の際に半日程度で楽しめるものもあり、旅程に組み込んで欲しい」(ツヴィンデン局長)ことから、旅行のハイライトとなる絶景を紹介することで、コンセプトを広めていく。

 ツェルマットからブリーク、アンデルマット、クール、サンモリッツ、ダヴォスへ行く氷河特急として知られるグレッシャー・エクスプレスをはじめ、鉄道6ルート、バス2ルート、船1ルート、鉄道とバスの併用が1ルート、合計10ルートを紹介する。鉄道に重心を置く理由は、19世紀後半からスイスでの旅行を楽しむ際の鉄道施設から周年事業が今後、目白押しとなり、日本で鉄道ファンも多いことから。今年はハーダーバーン100周年、あるいはアルブラ/ベルニナ線の世界遺産認定の話題もあったが、来年にはレーティッシュ鉄道120周年、ピラトゥス鉄道120周年、2010年はベルニナ鉄道100周年、グレッシャー・エクスプレス80周年、2011年はリギ鉄道130周年、2012年にはユングフラウ鉄道100周年と続く。また、通常の運航では走行しないルートを利用することや、パノラマ車両を使う鉄道などを紹介しており、ルートの楽しみ方も伝授していく。