ゲートウェイ21、破産手続を申立、JATAに350件問合せ−消費者保護を
ゲートウェイ21は10月1日、東京地方裁判所に破産手続開始申立をおこなった。負債総額は約12億9000万円。海外渡航中の顧客は約1000名で、同社の現地法人や契約会社への支払いが滞っている場合には、留学を中止せざるをえないケースも懸念される。また、同社は第3種旅行業で日本旅行業協会(JATA)の会員であることから、JATAにも問い合わせが入っており、月曜日は98件、火曜日に136件、水曜日に116件と3日間の合計は350件にのぼる。JATAによると、海外からの問い合わせもあるという。詳細な内容は現時点で取りまとめていないものの、「旅行契約ではなく、留学の契約の方が多い」(JATA広報)と見ており、弁済限度額の900万円の対象にならない契約が多いようだ。
▽留学ビジネスの問題点、浮き彫りに
ゲートウェイ21の破産で改めて問題点が浮き彫りになりつつあることは、「留学ビジネス」が消費者のセーフティーネットが旅行に比べて薄い点だ。旅行業では、弁済保証金として消費者の補償はわずかであるものの保護されているが、留学として契約を結んだ場合には全く適用されないこと。留学業界では旅行業のような弁済保証金制度の創設について昔から議論されているものの、一人あたりの支払い金額が200万円から300万円と高額であることが、補償範囲を設定する際の壁となっている。ただし、オーストラリアでは留学を受け入れる学校側が、供託による保証制度を整備しており、生徒が入学するまで授業料等の使用を不可としているという。だが、今回の破産では、会社側が現地への支払いが滞っているため、海外の法律の枠組みも利用できない。
また、ゲートウェイ21が手がけていた留学、ワーキングホリデー、ホームステイの仲介、旅行のうち、法律的な根拠や監督官庁の裏づけがある分野は「旅行」のみで、法律は「旅行業法」、監督官庁は「観光庁」。留学は「教育」面で文部科学省と「海外」で外務省、ワーキングホリデーは「労働」で厚生労働省、「二国間の青少年交流」で外務省、「査証」で法務省、「海外での教育」で文科省と多岐にわたる。また、いずれも海外での行為として、「邦人保護」で外務省が関わる。経済産業省も生徒である消費者が得られるサービス内容が語学学校という点では、特定商取引法で対応することも考えられるが、海外での語学学校の「あっせん」という点で対象から外れる。
日本ワーキングホリデー協会、およびNPO留学協会などでは、政府で検討されている「消費者庁」の所管を要望したいとの考え。公正取引委員会は数年前に、留学あっせん業者のパンフレットや契約書面の内容について取り決める指導により、JATAなどで広告表示などの議論をしたものの、行政の規制緩和の流れや公益法人の改革、境界線のあいまいさから、肝心の消費者保護には至っていない。留学協会によると、この5年ほどで留学あっせん業の倒産はあったものの、債権者である留学生が1000名を超す破産は初めてという。これを機会に、留学が将来的に青少年交流と双方向のイン・アウトの旅行につながることから、観光庁の調整力に期待すると共に、消費者庁が設立された場合には省庁間で隙間となる分野にこそ、監視の眼をもってもらいたい。
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◆ゲートウェイ21、本日にも東京地裁に破産申立を申請−海外での対応も懸念(2008/09/30)
▽留学ビジネスの問題点、浮き彫りに
ゲートウェイ21の破産で改めて問題点が浮き彫りになりつつあることは、「留学ビジネス」が消費者のセーフティーネットが旅行に比べて薄い点だ。旅行業では、弁済保証金として消費者の補償はわずかであるものの保護されているが、留学として契約を結んだ場合には全く適用されないこと。留学業界では旅行業のような弁済保証金制度の創設について昔から議論されているものの、一人あたりの支払い金額が200万円から300万円と高額であることが、補償範囲を設定する際の壁となっている。ただし、オーストラリアでは留学を受け入れる学校側が、供託による保証制度を整備しており、生徒が入学するまで授業料等の使用を不可としているという。だが、今回の破産では、会社側が現地への支払いが滞っているため、海外の法律の枠組みも利用できない。
また、ゲートウェイ21が手がけていた留学、ワーキングホリデー、ホームステイの仲介、旅行のうち、法律的な根拠や監督官庁の裏づけがある分野は「旅行」のみで、法律は「旅行業法」、監督官庁は「観光庁」。留学は「教育」面で文部科学省と「海外」で外務省、ワーキングホリデーは「労働」で厚生労働省、「二国間の青少年交流」で外務省、「査証」で法務省、「海外での教育」で文科省と多岐にわたる。また、いずれも海外での行為として、「邦人保護」で外務省が関わる。経済産業省も生徒である消費者が得られるサービス内容が語学学校という点では、特定商取引法で対応することも考えられるが、海外での語学学校の「あっせん」という点で対象から外れる。
日本ワーキングホリデー協会、およびNPO留学協会などでは、政府で検討されている「消費者庁」の所管を要望したいとの考え。公正取引委員会は数年前に、留学あっせん業者のパンフレットや契約書面の内容について取り決める指導により、JATAなどで広告表示などの議論をしたものの、行政の規制緩和の流れや公益法人の改革、境界線のあいまいさから、肝心の消費者保護には至っていない。留学協会によると、この5年ほどで留学あっせん業の倒産はあったものの、債権者である留学生が1000名を超す破産は初めてという。これを機会に、留学が将来的に青少年交流と双方向のイン・アウトの旅行につながることから、観光庁の調整力に期待すると共に、消費者庁が設立された場合には省庁間で隙間となる分野にこそ、監視の眼をもってもらいたい。
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