JATA・中国国家観光局、四川省渡航情報引き下げを外務省に要望−見直し着手

  • 2008年9月9日
 日本旅行業協会(JATA)事務局長の奥山隆哉氏と中国国家観光局(東京)首席代表の范巨霊氏ら6名が9月8日外務省を訪れ、四川省の視察結果を報告、渡航情報の引き下げを要望した。現在のレベルは「渡航の是非を検討してください」で、旅行会社によっては社内規定により募集型企画旅行の募集を中止せざるを得ない。范氏によると、「視察の結果、地震の影響はほとんどなく、観光には問題なかったことを説明」し、1日も早く引き下げられるよう要請。外務省海外邦人安全課からは、「情報を参考に、見直しに着手する」旨の回答を得られたという。外務省は今後、北京の在中国日本大使館と重慶の総領事館を通して情報を収集し、引き下げを検討する方針だ。

 在中国日本大使館によると、これまで中国各地から観光客受け入れ再開の知らせはあったものの、「現時点で省政府の外国との窓口である外事弁公室に要請しても正式な通知を得られていないため、安全第一の立場から見切り発車もできない」状態にある。これについて范氏は、「8月4日に外事弁公室の上部組織である四川省人民政府が再開を発表、6日から実際に再開している」とし、外務省にも同様の理解を求める。

 8月26日から9月2日にかけて実施した「2008中国震災復興支援研修団」では、震源地に近い被災地を除き、代表的な観光資源である世界遺産の九寨溝や省都の成都などで震災の影響を全く受けていないことを確認。九寨溝のツアーはもともと人気が高く、高単価であったことから「稼ぎ頭だった」と表現する旅行会社もあり、旅行業界としては1日も早い募集の再開が望まれる。

 なお、阪急交通社では9月以降出発の九寨溝ツアーの募集を再開しており、5月の地震発生時に入っていた約400名の予約者にダイレクトメールを送信、すでに約40名から予約が入っているという。


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