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フォーシーズンズ、日本市場で着実に需要を取り込み−各プロパティのGM

  • 2008年9月11日
 フォーシーズンズ・ホテル&リゾートは先ごろ、日本でワークショップを開催、世界各国から22軒のホテル、およびリゾートの総支配人、営業担当者が来日、旅行会社と商談を行った。このうち、日本市場の需要が特に強い6地域、14軒のホテル、リゾートの総支配人、営業担当者から現状などを聞いた。


■フォーシーズンズ・ホテル・カイロ・アット・ザ・ファースト・レジデンス
 カイロでの日本人宿泊数は全体の4%から5%ほど。レジャー層は市内の博物館やプラミッドの観光などで2泊した後、ナイル川クルーズを楽しんでから宿泊をするといったパターンが多い。ビジネスは商社を中心に、エジプト経済の好調さを背景に、投資が活発で需要は堅調。日本のレジャー市場には引き続き、カイロが知的欲求を満たす素材が豊富にあること、カイロの安全性、燃油サーチャージが比較的安く、為替面でもリーズナブルに旅行できることをアピールしていく。

■フォーシーズンズ・ホテル・ミラノ、フィレンツェ
 ホテルの立地はビジネスの中心街だが、広い敷地を確保しており、昼夜の対照的な雰囲気も魅力。2009年までにはスパを新設するほか、客室数も増やす予定。日本人宿泊者数は5年前に13%を占めていたが、現在は7%にまでシェアが下がったが、母娘旅行をはじめ堅調なセグメントもある。パリとあわせて旅行をするパターンもあり、今後はフィレンツェでのホテル開業にあわせ、相乗効果を高めたい。フィレンツェでは11%から12%ほどを日本からの宿泊客と想定しており、15世紀から16世紀のメディチ家の所有物をリニューアルすることで、歴史と現代の快適さをあわせた滞在を提供する。

■フォーシーズンズ・リゾート ハワイ
(ラナイ・アット・マネレ・ベイ、ラナイ・ロッジ・アット・コエレ、マウイ、フアラライ)
 ラナイ島へはホノルルから飛行機で25分、フェリーの場合はマウイ島・ラハイナから25分。2軒のホテルともにリノベーションが終了。ラナイ島には、大型会議が出来る宴会設備をマネレ・ベイに用意しており、インセンティブ・ツアーをはじめ、貸切にも対応が出来る。すでに今年は大型MICEとして3件の貸切を受注しており、会議だけでなく、ゴルフを楽しむことも出来る。アクティビティはビーチに近いマネレ・ベイはシュノーケリングをはじめとしたビーチ・アクティビティ、ロッジ・アット・コエレは乗馬などを楽しむことが出来る。また、両ホテルを滞在できるような宿泊パッケージも設定している。

 フアラライは、日本からハワイ島へ直行便があるため、需要は堅調。客室のリノベーションに着手しており、20室のスイートを増設する予定だ。特に、日本市場に限らず、全世界的に三世代旅行の需要が増えており、広い客室のニーズが高まっているという。また、レストランも改装し、これによりアウトドアと現代的な感覚を楽しめる心地よい滞在を提供することを狙う。なお、来年3月までにレストラン、6月には客室の改装を終える予定だ。リニューアルの情報はウェブサイトで詳細を確認できる。

 マウイは昨年にリニューアルを終了し、客室およびレストランの改装も終了した。このうち、レストランは各種メディアですでに高い評価を受けているという。リゾート内にはハワイの文化を紹介したり、現代のハワイ文化を紹介するiPodでのツアーも始める。

■フォーシーズンズ・リゾート バリ(ジンバラン・ベイ、サヤン)
 ジンバラン・ベイに2009年1月にウェディング・チャペルを新設する。料飲部門では新たなコンセプトを導入し、ビーチで食事をする「ベッズ・オン・ビーチ」をはじめ、特にカップルに向けた時間の過ごし方を提案していく。また、サヤンでは、田園での食事が出来るようなプログラムも開始した。2軒を組み合わせた滞在は増えつつあり、バリの滞在の約4分の1はハネムーンで、特にビーチに近いジンバラン・ベイが人気だ。

■フォーシーズンズ・ホテル・シドニー
 現在、リノベーションに着手しており、クリスマス前の12月には終了を予定している。この改装の目玉は全客室530室のうち、140室をプレミアルームとすること。特に日本には販売を強化したい考え。また、改装では、テレビにフラットスクリーンの導入、無線LAN化などにより、現代の旅行需要に対応できるようにしていく。スパについても、24時間の体制で運営する計画だ。なお、カンタス航空(QF)の運航便数の変更があるが、シドニーに関しては供給が増えることから、現在のシェア1桁台を2桁に戻したいという。

■フォーシーズンズ・ホテル、リゾート タイ
(バンコク、チェンマイ、テンティッド・キャンプ・ゴールデン・トライアングル、コサムイ)
 タイには現在4軒のホテルとリゾートを展開している。都市とリゾートの組み合わせで、タイ国内のフォーシーズンズを周遊する旅行も増えているという。4軒のどのホテルでチェックインをしても、タイの4軒に滞在する間はチェック・アウトをすることなく、最後のホテルで手続きをすることができる。このうち、バンコクは日本市場のシェアが高く、日本語を話すスタッフを揃えて対応に万全を期している。ゴールデン・トライアングルはハネムーンに使われることも多く、料飲も含んだ料金を提示しており、象に乗る、ボートの搭乗などの体験も楽しめる。欧州の宿泊客は、バンコクに2泊、チェンマイに3泊、ゴールデン・トライアングルに3泊、その後にビーチのコサムイに滞在するパターンが多いという。日本市場でも、こうしたタイ国内の各ホテルを組み合わせた滞在を提案していくという。