ニュー・センチュリー・クルーズ、三峡クルーズを国際水準の豪華客船で

  • 2008年8月8日
 中国の長江三峡でリバークルーズを運航するニュー・センチュリー・クルーズ(重慶新世紀游輪)は、欧米のクルーズ会社を研究して得られた高品質な設備やサービスで日本人乗船客の増加をめざす。8月7日に開催した業界向けセミナーでは、代表取締役社長の彭建虎氏や同社日本部部長の趙戈非氏が来日して自社の商品を紹介。今後の目標について趙氏は、2007年には通年で100名程度の集客であったところを、将来的には「5000人から1万人の取り扱い規模まで伸ばしたい」とした。三峡はドラマ「大地の子」の舞台であったことから1995年以降は日本人訪問者数が増加したものの、三峡ダムの建設にともない、観光地が水没してクルーズができなくなったとのイメージが付いて客足が遠のいたと分析。「確かにダムによって水位は上昇した」ものの景観には大きな変化がなく、逆に水質の改善や、従来は船が入りにくかった場所も訪問できるようになった点などメリットも多くあるため、自社のクルーズの品質と三峡の魅力をアピールすることで再び日本人を集客していく方針だ。

 ニュー・センチュリー・クルーズは現在3隻の船を所有しており、新造船「センチュリー・ダイヤモンド」を今月29日に就航する。同社の船の特徴は、どの船も5ツ星で2003年以降の建造と新しく、全室にバルコニーを付けているほか、長江でクルーズを運航する他社の船より2倍程度大きいため、キャビンやパブリックスペースが余裕を持ったつくりとなっている。設備やサービス、料理は欧米のクルーズ会社を視察して基準を設定しており、年間約3万5000人の乗船客のうち約8割を占める欧米からの旅行者も満足するレベルという。昨年末に日本地区販売総代理店(GSA)となったパシフィックリゾート代表取締役社長の島田恭輔氏も、「全体的に質が高く、中国の無形文化遺産である『変面』など船内のイベントも多数開催され、品質にこだわる日本人もすべての面で満足できる」と強調した。

 日本市場での販売拡大に向けてパシフィックリゾートでは、「まずは年間500名に向けて、認知向上など施策を展開する」としている。また、今後発注する新造船「センチュリー・ジェム」では全船室へのバスタブの設置や日本語を話すスタッフの常駐、日本語の館内案内、日本食の用意など、日本市場を強く意識した仕様にすることを検討中だ。11月にはFAMツアーの実施も検討している。