全日空、座席供給量6.4%減、路線再編を正式決定−20億円超の費用減見込む

  • 2008年8月7日
 全日空(NH)は8月6日、路線の再編を正式に発表した。国際線と国内線の合計で運休が3路線、増便が1路線、減便が8路線、機材変更が5路線で、座席供給量をあらわす有効座席キロは全体で6.4%減となる。国際線では中部/台北線と関空/グアム線を運休するほか、中部/広州線、成田/広州線、羽田/虹橋線で運航機材を縮小する。収支改善の効果としては、年度内は20億円から30億円のコスト削減効果を見込んでいるものの、減便による減収と相殺され、決算数値に効果が出るのは来年度以降との予測だ。

 今回の路線再編は、燃油価格の高騰への対応と、首都圏空港の再拡張による競争環境の激化に備えた体質改善をねらったもの。燃油価格については、2008年度の燃油費用が前年に比べて400億円以上増加し、3000億円を超える見込みという。運休路線の選択は路線の収益性が大きな基準になっており、今後の復便は「燃油価格の高止まりの長期化が予想されることに加え、体質改善も目指さなければならず、燃油価格が改善されたからといってすぐに路線を戻せるものではない」という。

 関空/グアム線の運休により、NHの国際線リゾート路線はホノルル線のみとなるが、「レジャー路線を縮小する方針があるわけではない」と説明。成田空港に路線が集中することも含めて、あくまで収益性の観点から再編を検討した結果とした。成田発のホノルル線やグアム線は現在のところ前年並みで推移しているという。旅行会社に対しては、需要や収益性の高い路線を活用して旅行需要を取り込んでいく方針に理解を求める考えだ。


▽NH、国際線路線再編概要
・運休
<路線:実施日時/現行便数/運航機材>
中部/台北線:2008年10月26日/週7往復/B737-700型機
関空/グアム線:2009年1月13日/週7往復/B767-300ER型機

・運航機材変更
<路線:実施日時/現行便数/現行機材(座席数)/変更後機材(座席数)>
成田/厦門線:2008年10月1日/週7往復/A320型機(110席)/B737-700型機(120席)
中部/広州線:2008年10月1日/週7往復/B737-700型機(120席)/A320型機(110席)
成田/上海線:2008年10月26日/週21往復(うち919便・920便の週7往復のみ変更)/A320型機(110席)/B777-200ER型機(223席)
成田/広州線:2008年10月26日/週14往復(うち933便・934便の週7往復のみ変更)/B767-300ER型機(214席)/B737-700型機(120席)
羽田/虹橋線:2008年10月26日/週7往復/B777-200ER型機(223席)/B767-300ER型機(214席)


▽NH、国内線路線再編概要
<路線:実施日時/現行便数/運航機材>
・増便
羽田/佐賀線:2008年11月1日/1日3往復/1日4往復

・運休
長崎/沖縄線:2009年2月1日/1日1往復※
 ※スカイネットアジア航空(6J)とのコードシェアを予定

・減便
新千歳/仙台線:2008年11月1日/1日5〜7往復/1日3往復※
 ※北海道国際航空(HD)とのコードシェアを予定
女満別/関西線:2008年11月1日/1日1往復/夏季運航を予定
新千歳/関西線:2008年11月1日/1日5往復/1日4往復
羽田/関西線:2008年11月1日/1日7往復/1日5往復※
 ※スターフライヤー(7G)とのコードシェアを予定
羽田/大島線:2008年11月1日/1日2往復(プロペラ機1、ジェット機1)/1日1往復(ジェット機1)
関西/沖縄線:2008年11月1日/1日5往復/1日4往復
鹿児島/沖縄線:2009年2月1日/1日3往復/1日1往復※
 ※スカイネットアジア航空(6J)とのコードシェアを予定
中部/松山線:2009年2月1日/1日3往復/1日2往復