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6月の出国者数、7.2%減の128万人−上半期は04年以来の800万人割れ

  • 2008年7月29日
 日本政府観光局(JNTO)によると、6月の日本人出国者数は7.2%減の128万3000人であった(JNTO推計値)。1月からの累計は4.8%減の793万9000人となり、SARSの影響が残る2004年に758万人を記録した以来4年ぶりに、上半期で800万人を割りこんだ。JNTOでは消費マインドの冷え込み、燃油サーチャージの増額、一部通貨に対する円安基調、訪中旅行の手控えなど、今年の需要低迷に影響を与え、13ヶ月連続で前年同月比を割り込んだ理由としている。

 また、出国者数の伸び悩みでは年齢層では男女とも20代、男性30代、女性30代前半、男性50代前半、女性50代が実数ベースで大きく減少している模様としている。また、4月までの年齢別の累計は男性5歳から14歳、女性10歳から14歳が2桁の減少となり、女性5歳から9歳の9.2%減もあわせると、男女とも30代の減少にともなう子連れの海外旅行が減少していることが想定される。こうした層については、高額になった燃油サーチャージが請求されることで、旅行総額が増加することで、手控える影響が出ているとみられる。

 先ごろ開催された財団法人日本交通公社(JTBF)の海外旅行動向シンポジウムでは2008年は前年比5.1%減の 1640万人、2009年は1.2%増の1675万人を予測。また、ジェイティービー監修、ツーリズム・マーケティング研究所(JTM)が編集・発行した「JTB REPORT 2008 日本人の海外旅行のすべて」(JTBレポート)は、2008年の海外旅行者数は前年比5%減の1600万人台半ばにまで落ち込む可能性も否定できないと予測。とくに、中国への旅行者数が減少していることをはじめ、レジャー渡航が多いハワイ、オーストラリア、カナダなどの低迷、燃油サーチャージの急激な値上げと国際定期路線の削減や、原油・穀物の価格高騰による経済、生活への影響を懸念材料として、海外旅行者数の押し下げを説明している。


▽訪日外国人は上半期10%増

 訪日外客数の6月は7.9%増の68万1900人、上半期は10.0%増の433万7400人となった。人数では韓国が8.1%増の132万2400人、台湾が6.9%増の72万2700人、中国が14.9%増の49万9200人。伸び率では香港が36.7%増の26万7000人、タイが30.6%増の11万1200人、シンガポールが26.2%増の7万8300人となっている。香港は上半期として過去最高を記録し、特に日本各地へのチャーター便の運航が増加につながっているほか、チャーター便の増加によるツアー価格が低廉化されたことで、更なる増加につながっている。