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アイルランド政府観光庁、治安などイメージ向上で集客へ−高品質の商品を

  • 2008年7月17日
 アイルランド政府観光庁は、7月15日に旅行会社を対象に実施した「アイルランドセミナー2008」で、今後は「治安」「アクセス」「気候」の認知を徹底することで、イメージを向上し集客につなげる方針を示した。これは、昨年7月に実施した市場動向調査の結果を受けたもの。アイルランドへの日本人訪問者数は2004年には3万人弱となったが、この3年は2万人弱で推移している。同観光庁日本代表の浅野公宏氏は「本局で目標数値の設定はしていない」としたものの、「イメージの向上にともなって、旅行者数は増加するのではないか」と語った。

 調査は同観光庁が約1000人の20歳以上の男女を対象にインターネット上で実施したもので、アイルランドに対する意識を調べた。興味度の項目では、「興味がある」(23.5%)と「やや興味がある」(32.0%)をあわせると55.5%と高い数値となった。そして、検討したが実際には渡航に至らなかった人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのが「費用が高い」で54.4%、次いで「日数がかかり過ぎる」(35.1%)、「寒そう」(17.5%)、「直行便がない」(17.5%)、「治安が悪そう」(12.3%)となった。浅野氏は「価格は我々でどうにかできるものではない」としたうえで、安売りするのではなく、アッパー・レジャー・マーケットを中心に高品質で高付加価値を魅力として訴求していく考えだ。また、寒そう、治安が悪そうなどのイメージは変えられるとして今後の方針決定に活かした。なお、セミナーでは新たなデスティネーションとして、アイルランドにある3つの世界遺産のうちのひとつ「スケリッグ・マイケル」を提案している。


▽豊富な素材が秘めるポテンシャルに期待

 調査では、渡航のきっかけについても聞いており、「ケルトの歴史や文化」(49.4%)、「ダブリンの街そのもの」(45.7%)、「パブやビール」(40.7%)、「音楽やダンス」(32.1%)など幅広い分野に興味の先が向いていることが明らかとなった。そして、滞在中に体験したものでも同様にさまざまな項目が挙がったが、20代から30代の男性の場合、「ドライブ」と回答した人が46.7%と全体(29.6%)と比較しても多く、フライ&ドライブの可能性も見込まれる。また訪問先は「ダブリン」(82.1%)に次いで「文豪の足跡」(36.4%)で、特に51.1%を占める40代以上の女性に人気があった。アイルランド政府観光庁ではこれらの多様な素材を活かしたテーマ性のある商品の造成に向け、日程表など具体的なプランを提案していく予定だ。