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スイス、新たに2件の世界遺産登録、レーティッシュ鉄道2路線と自然遺産

  • 2008年7月10日
 スイス政府観光局によると7月7日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で、スイスの2地域が新たに世界遺産として登録された。2地域は、文化遺産の「レーティッシュ鉄道アルブラ線/ベルニナ線と周辺の景観」と、自然遺産の「スイス・テクトニック・アリーナ・サルドーナ(グラールス・アルプス)」。これにより、スイスの世界遺産は文化遺産が6件、自然遺産が3件、合計9件となった。

 レーティッシュ鉄道はスイス最大の私鉄で、アルブラ線はヒンターライン地方のトゥージスからエンガディン地方のサン・モリッツを結び、ベルニナ線はサン・モリッツからイタリアのティラーノまでを結んでいる。石橋やトンネル、カーブなど、アルプスの雄大な自然を壊すことなく切り開いた高度な鉄道技術と、鉄道と共存する美しい景観が評価された。

 一方、スイス・テクトニック・アリーナ・サルドーナは、フォーダーライン谷、リント谷、ヴァーレン湖に囲まれた地域で、地球科学の分野で重要な「プレートテクトニス理論(プレート理論)」を説明する上でも大きな意味を持つ地形であることが評価された。プレート理論は、地球が複数枚のプレート(岩板)で構成され、プレートの動きによってさまざまな地形が形成されてきたとする学説。通常は古い岩の上に新しい岩が積み重なるはずの地層がこの地域では逆になっており、この発見が議論を呼びプレート理論に発展した。