問 世界三大仏教遺跡に数えられるバガン遺跡など、数多くの仏教遺跡を持つミャンマー。世界遺産の数は、次のうちどれか
A 5
B 3
C 2
D 0
――正解は最下行へ
ココに注目!
▽“生きた”仏教遺跡

国民の90%が仏教徒というミャンマーには、各地に荘厳な仏教施設が点在する。特に、世界三大仏教遺跡の一つとされるバガン遺跡には、数百年の時を経た約3000の遺跡が広大な土地に林立。「バガン・ビューイング・タワー」に上がれば、その荘厳な姿が堪能できる。また、金色に輝くヤンゴンの「シュエダゴン・パゴダ」など、素晴らしい仏教寺院が多い。しかし、世界遺産に登録されている遺跡は、現在のところない。実は、これこそがミャンマーならではの仏教観光の特徴であり、最大の魅力である。
ミャンマーの人々にとって、遺跡は現在進行形のもの。何百年前に作られた施設も、現在も信仰の対象であり、儀式によって人の手が加えられ、絶えずその姿を変えている。仏像に金箔を貼り付ける儀式もあり、例えば、インレー湖に建つ「ファウンドーウー・パゴダ」の仏像は、今では顔の位置も分からないほどの金箔が貼り重ねられ、信仰心の厚さが伝わってくる。世界遺産は「保全・保護」を目的としているため、ミャンマーの遺跡は主旨にそぐわないとされているようだが、世界遺産という冠がなくても、遺跡の貴重さ、重要さは同等であるといえよう。
▽ミャンマーの仏教文化を体験

こうした仏教儀式を、文化的な体験として捉えるのも楽しいだろう。例えば、仏像に金箔を貼る行為は、男性なら体験可能。敬虔なミャンマーの仏教徒に並び、仏像に金箔を貼れば、体の感覚だけでなく心から何かが感じられ、旅の印象に残るに違いない。女人禁制というのが残念なところだが、そばで見学は可能。また、ミャンマーでは男性は一生に一度は出家するといわれており、修行の場である僧院を見学することもできる。マンダレーにある「マハガンダーヨン僧院」では、あどけなさの残る子供から大人まで、1000人の僧が暮らしており、僧服に身を包み、一堂に会する食事時は圧巻の景色が見られる。
▽マーケットでミャンマー日常生活、“笑顔”に触れる

ミャンマーを旅行した人に、印象に残ったことを聞くと「人」をあげる人が多い。ホスピタリティにあふれた気質で、客人を丁寧にもてなすのが、ミャンマー人の習慣なのだそうだ。こうした市民の生活を理解しやすい場所が、各地にあるマーケット。特に地方では日本の田舎のようにのんびりした時間が流れつつも、賑やかな雰囲気が感じられる。野菜や果物、調味料など、見たことも無い食材が並ぶなか、大勢の女性が行き来し、子供たちがその周りで楽しそうにはしゃぎ、笑顔に優しさが感じられる。ミャンマーの日常を知る上でぜひ、観光ルートに取り入れたい場所だ。
正解 D