Marriott Bonvoy

オーストラリア、供給座席減も市場の注力度は「不変」−関係者来日で強調

  • 2008年7月2日
 オーストラリア政府観光局(TA)会長のリチャード・アラート氏をはじめ、クィーンズランド州政府観光大臣のデズリー・ボイル氏らが来日、カンタス航空(QF)の日本路線の再編を踏まえつつ、日本市場での活動にこれまでと変わらず注力する考えを強調した。特に、これまでの日本からの送客を維持することへの注力と同時に、新たな機会を模索する動きを加えることで、誘客の力は緩めないとの姿勢だ。アラート氏は「日本は年間50万人、消費額は10億豪ドル(約1010億円)にのぼる。日本からオーストラリア、オーストラリアから日本の需要があり、特に日本のアウトバウンドのマーケティングにはこれまでと同様に力を入れていく」とし、「QFの座席数の減少は残念だが、クィーンズランドと協力して、対策をとるとともに、日本からの誘致を継続していく」という。ボイル氏も「これまでも日本市場と手を携えて取り組んできた強い関係があるが、引き続きレジャー、ビジネス、教育分野とそれぞれ今後も継続することに変わりない」と強調。6月初旬のカンタス航空(QF)の発表を受けて、旅行会社との話し合いも持っており、これまでの直行便に加え「接続便を利用する可能性も検討していく」との前向きな姿勢を示した。特に、カンタスグループ以外との協力については、「日本航空、コンチネンタル航空は既に就航路線を持っており、この協力をさらに強く出来るかがポイント」として、座席の確保の重要性についての認識を示した。



▽世界遺産キャンペーンで着実に誘致を

 TA日本局長の堀和典氏は、「航空座席の動きがあっても、基本的(な政府観光局としてのプロモーション活動)はぶれない」として、2年目となる世界遺産キャンペーンの第2ステージとなる各世界遺産の物語を伝えることに変わりは無いとの考え。そのほか、環境への関心の高まりに対応した植林ツアーや現地でのガイド育成の取り組み、ゴールドコーストマラソンのエントリー数が1758名(6月27日現在)と集客が好調であることも好材料のようだ。

 なお、航空会社との協力では引き続き直行便を運航する航空会社の支援をしていくことを表明。その一方で、第三国を経由する航空会社ともプロモーションをしていくこと、ピークシーズンには航空会社と協力したチャーター便の活用も視野に入れた展開をしていく考え。現段階で最終的な計画は固まっていないとしているが、旅行会社が利用する航空会社次第という。特に名古屋については、「年間5万5000人ほどが訪れている」として、この需要への対応が当面の課題となるようだ。