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ニューヨーク市観光局、多様なニーズに対応可能な旅行先としてアピール強化

  • 2008年6月25日
 ニューヨーク市観光局(NYCC)は、消費者の多様化するニーズを満たす質の高いデスティネーションとしてのアピールを強化する。NYCCアジア太平洋地区統括アソシエート・バイス・プレジデントのヒーリー・松田麻紀子氏は6月24日に開催した業界向けセミナーで、2007年の日本人訪問者数は3%増の28万3000人と、当初のマイナス予測を跳ね返したことを報告。「アメリカ全体が前年割れの中、プラス成長は意義深い」と自信を示し、その要因として、ドル安、昨年の日本オフィスの開設をあげる。特に、オフィス開設は「ニューヨークの質の高い多様な素材を精力的に紹介し、旅行の目的が明確な目の肥えた旅行者も満足できる商品づくりにつながっている」という。今後は、「細かな需要に対し、ユニークな体験をさらに掘り下げて提案し、消費者が本当に欲しているものを提供していく」方針だ。

 松田氏は、豊富な素材を持つデスティネーションの課題を「多すぎて何をすれば良いのか分からなくなってしまうこと」と指摘。NYCCでは、現在もウェブサイトでそれぞれの利用者の関心に応じて目的を紹介しているほか、2008年中を予定するウェブサイトのリニューアル後は、それぞれの興味に対応できるさらに詳しい情報を提供する予定だ。また、セミナーでも、ショッピングやダイニング、カルチャー、ホテル、イベントなどのテーマを紹介。8月にはニューヨークが舞台のドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の映画版が公開されることから、映画の中で登場するホテルやレストラン、店舗、ナイトクラブなどを組み込んだ商品の造成も提案した。

 今後の方針として、NYCCでは2012年までに「全世界から5000万人」を掲げている。日本での目標値は決まっていないが、「セミナー後に日本オフィスと議論して戦略を策定する」予定。また、ヨーロッパなどで展開している旅行会社が対象の教育プログラムも、「日本市場では、多様で高品質な素材を適切に消費者に伝える必要がある」ことから、早急に導入する考えだ。


▽コンチネンタル航空、「ニューヨーク・エアライン」として独自性を強調

 セミナーでコンチネンタル航空(CO)は、ニューヨークの3空港の発着数のうち20%以上がCO便というニューアーク空港、ニューヨークをハブとする唯一の航空会社として独自性と利便性を強調。ニューアークはマンハッタンまで25キロメートルとJFKよりも近く、CO専用のターミナルと専用イミグレーションの利用で、空港到着から最短の場合には約40分でマンハッタンに到着ができる。また、コードシェア運航するUSヘリコプターの利用で、移動時間はさらに短くすることも可能だ。搭乗手続きを含め、15分程度で移動ができ、航路の途中で空から自由の女神像を眺められるという雰囲気も売りだ。ビジネスクラスの旅客には無料で往復の利用が含まれており、IT運賃でも片道130米ドル(約1万4000円)で利用ができることをアピールしていく。


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