関空・平野副社長、首都圏空港拡張の影響大−ハブ空港としての整備訴える

  • 2008年6月24日
 関西国際空港代表取締役副社長の平野忠邦氏は6月23日、冬柴国土交通相が先ごろ公表した「首都圏空港における国際航空機能拡充プラン」について、「関空への影響はかなり大きい」との認識を示した。成田空港へ就航を希望しながらスロットの空きがないため関空に就航する航空会社が、首都圏空港の増枠が実現することで路線を移す可能性を指摘。また、羽田の深夜早朝枠での定期便の運航がはじまることで、特に貨物需要について「24時間空港という関空のメリットが薄れる」と危機感を表明した。

 ただし、羽田の6万回と成田2万回で合計8万回の増枠分については、「首都圏の航空需要からすれば、すぐに埋まってしまうのではないか」との見方で、「引き続き、関空をハブ空港の一つとして整備する必要性を訴えていきたい」という。また、成田に就航していない航空会社でも「エミレーツ航空(EK)は関空線が好調で、維持するという」とし、実際の路線減少は関空そのものの需要次第であるとして、関西圏での需要創造も重要な戦略であるとの考え。

 需要について、タイ国際航空(TG)の関空経由のバンコク/北米線の就航について「まだ正式には話が来ていない」としつつも、「需要はある」と強調。シンガポール航空(SQ)が先ごろ運休したバンコク/関空線について、「ロードファクターは高かった。ただし、さらに需要の高いインド路線に機材を振り替えたと聞いている」とし、安売りの影響だけでないとの見方を示した。

 なお、10月を予定する連絡橋の売却は予定通り進んでおり、車の通行料は約半分に値下げされる見通しだ。