観光活性化フォーラム
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旅フェア開幕、癒しの趣向で需要喚起を期待−開会式に冬柴大臣ら参加

  • 2008年6月20日
 国内最大級の旅の総合見本市「旅フェア2008」が6月19日、開幕した。開催式で主催する旅フェア実行委員会/日本観光協会会長の中村徹氏は、「来場者が旅フェアを心から楽しみ、旅に出かける行動に繋がれば」と、旅フェアによる需要喚起の効果への期待を語った。また、来賓代表として祝辞を述べた国土交通大臣の冬柴鐵三氏は、「訪日外客数は順調。2010年を前倒して余裕を持った達成をしたい」と進捗を語った。一方、国内宿泊平均4泊については「2006年は2.7泊で、07年は2.47泊と後退したが、なんとか4泊を勝ち取りたい」と決意を語った。


▽今年のテーマは「癒し」、3つの体験コーナー設置

 旅フェア2008は6月19日から22日まで4日間開催し、15万人の来場を目標とする。全国から、地方公共団体、観光協会、関連企業など158団体が参加し、国内旅行の需要喚起と訪日外国人旅行者の拡大を目的に、旅の楽しさや最新情報を提供していく。特に今年は会場全体を、テーマである「癒し」が感じられる構成に工夫。特大ブースや賑わい感のある仲見世風ストリートなど、旅の臨場感を演出したほか、癒し体験として、温泉、工芸、食の3つを取り上げ、それぞれ体験コーナーを用意。温泉では4日間を通し、延べ20種類の温泉を提供するほか、食では「心のスイーツ・おやつ劇場」として、実演を含めた販売、紹介をしていく。


▽岩手・宮城のホテルや旅館がアピール

 中村氏は挨拶の冒頭、岩手・宮城内陸地震の被災者に対するお見舞いの言葉を述べた上で、「風評被害をなくすことに全力を尽くしたい」と語った。また、冬柴国交相も地震発生の翌日に現地を視察したことを明かし、「被災地以外は健全。風評被害でキャンセルなどないよう、会場のブースで元気な姿を見て欲しい」を訴えた。

 旅フェアでは、岩手県や宮城県のホテルや旅館の支配人や女将など約20名が来場。会場内で現状を報告するとともに、復興に向けた各地の観光の魅力をプレゼンテーションする機会も設けられた。


▽「Yokoso! Japanトラベルマート2008春」も共催

 今回の旅フェアは初めて、期間を4日間に延ばし、業界対象の「ビジネスデー」のほか、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の一環として進めるインバンウンド商談会「Yokoso! Japanトラベルマート2008春」も共催。ビジネスでーには157団体386ブースが出展したほか、「Yokoso! Japanトラベルマート」には12カ国08名のバイヤーと256団体のセラーが出展した。


▽2009年の横浜開港150周年のプレイベントの位置づけも

 また、今回の旅フェアは、2009年に開催される横浜開港150周年のプレイベントの位置づけもある。神奈川県知事の松沢成文氏は、07年の入込客数が1億6999万人で3年連続で過去最高を記録したことを述べ、「行政、民間、事業者がスクラムを組んで励んだ結果」と、観光行政に力を入れていることを強調。また、開催式後のレセプションで、横浜市長の中田宏氏は、横浜市の入込客数が4000万人を超えたと述べた上で「開港150周年は愛知万博以上のイベントになる。来年は5000万人を超えるよう準備を進めている。観光客を増やし、内需拡大に繋げたい」と語った。

 また、松沢知事は挨拶のなかで「羽田空港の発着回数が6万回に拡大したが、10万回に広がればさらに国際観光客が増え、観光立県として成長できる」と、さらなる拡張への要望もコメント。中田宏氏も観光行政による内需拡大の考えを述べるなかで「羽田の国際化推進が日本の発展に寄与する」とアピールした。