観光活性化フォーラム
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4月の苦情件数、倒産で増加し6.8%増−燃油負担増で相談の増加を予測

  • 2008年6月12日
 日本旅行業協会(JATA)が取りまとめた4月の苦情(相談・あっ旋)件数は、前年から12件増、6.8%増の189件であった。会員会社の倒産により、弁済に関する相談が34件と最も多い申出となり、全体の増加につながった。なお、これを除く申出区分は変わらず、手配内容、旅行代金・取扱料金、取消料の順。

 今月の事例で、旅行会社に問題あるケースは、キャンペーン展開で予約したものの、その後に同内容の旅行商品が安くなっており、旅行会社に指摘すると安い旅行に変更できないというクレーム。二重価格に違反しないためには、元の代金の販売期間が2週間以上で過半を占めている必要が、景品表示法や旅行業公正取引協議会の公正競争規約で定められている(注1)。この場合、期間は該当法に違反していないものの、旅行申込者への周知も必要としており、消費者の疑念を避ける対応が望まれる。

 一方、消費者に問題のある事例は、海外留学で航空券とビザ代行取得を旅行会社に依頼、学校の入学許可書は自らしたもの。出国の際に入学許可書が無いため、出国ができずに1日遅れたという。旅行会社から説明が無く、追加代金を請求されたが払いたくないというものであるが、自ら手配した入学許可書が無いため、出国ができないものであるため、旅行会社には問題がない。

 なお、JATAによると、7月1日発券分から燃油サーチャージ額の値上がりで、値上げ前に発券をしたいという問い合わせが入ってきているという。このため、JATAではこうした相談件数が増えるものと想定している。


(注1) 旅行業公正取引協議会の公正競争規約、第12条。募集型企画旅行の代金について、二重価格表示を禁止しているものの、同一商品について相当期間にわたり販売した場合の例外も設定。施行規則で期間を2週間としているほか、値下げした場合には値下げ前の代金とあわせて表示することを定めている。