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カリフォルニア州観光局CEO、日本を含むアジアに注力−業界との関係構築を

  • 2008年6月9日
 カリフォルニア州観光局(CTTC:California Travel & Tourism Commission)CEOのキャロリン・ベティータ氏(右写真)は、同州の観光プロモーション予算のうち、国際市場向けは来年度に2100万ドルと当初計画から100万ドルを増額することをトラベルビジョンのインタビューで明らかにした。これはカリフォルニア州の世界各国におけるプロモーション戦略として、日本を含むアジアに注力する考えを示したもの。訪問者数では、今年にもビザ・ウェーバー(ビザ免除国)となる韓国、世界各地で訪問者増が期待される中国で人数の増加を図る考え。日本については、すでにテレビ、雑誌、インターネットを活用した広告展開で「カリフォルニア」ブランドの確立を目指した活動に着手しており、着実な取り組みを進める。また、6月20日からカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツネッガー氏が登場するテレビCMを展開し、需要を喚起する。知事についてベティータ氏は「非常に協力的。確定している予定はないが、将来は日本訪問なども考えられる」とし、観光客の誘致策の切り札としても考えているようだ。また、自身のアジア訪問については、11月に中国で開催される旅行見本市CITMに参加する予定で、日本では今年2月に「なんでもアリフォルニア」のキャッチフレーズの発表後の動向を評価しつつ「引き続き、旅行業界のパートナーと関係構築をしていく」と述べた。

 また、カリフォルニア州の観光予算はレンタカーに対する課税による予算確保については、「レンタカー業界の大きな理解がある」としつつ、カリフォルニア州はドライブで訪れる魅力的な素材も多く、デスティネーションをプロモーションすることで、観光業とレンタカーの双方にメリットを与えられることができるとの考え。

 CTTCは日本において4月からテレビ、新聞、雑誌を活用した広告展開により、消費者の注意喚起とイメージの浸透をはかっている。この第2弾として州知事のアーノルド・シュワルツネッガー氏を起用したテレビCMの第2弾の展開、10月ごろをめどに旅行業界との協力による広告の露出を進めていく。また、第1弾の広告はインターネットも活用しており、ヤフー、MSN、オールアバウトで消費者へのプッシュ型の広告展開で興味関心を引き出しているところ。こうした機会を創出し、10月の旅行会社と展開するプロモーションまでに、消費者の関心を高めていく考え。


▽全米旅行産業協会(TIA)ナショナル・チェアとしての役割

 ベティータ氏は全米旅行産業協会(TIA)のナショナル・チェアに就任している。ナショナル・チェアは前任がウオルト・ディズニー・パーク・アンド・リゾート会長のジェイ・ラズロ氏が務め、アメリカ・イメージの向上、マーケティング施策の展開、政府への働きかけなどを手がけてきた。ベティータ氏は日本でもすでに公開しているアメリカ旅行の総合サイト「ディスカバー・アメリカ・ドット・コム」を成功に導くことが重要との考えで、「各デスティネーションを連携し、ともに需要喚起をしていくことが必要」との考えを示した。そのためには、アメリカ国内のデスティネーションが「協調と競争(Friendly Competition)」の関係を持ち、このサイトの下で活動をしていくことをあげ、CTTCの海外事務所展開をはじめ、それぞれの観光局が海外市場での活動が訪米客の誘致につながるとの考え。

 また、このところに為替相場の「ドル安基調が全世界的にアメリカ訪問を促す要因になっている」とし、CTTCとして展開するブランド広告をはじめ、「各市場で存在をアピールしていくことが重要」で、アメリカ訪問者は今後、大きく増えていくとの考えを示した。