ラスベガス、10年までに海外からの訪問者15%増−日本は長期の取り組み重視

  • 2008年6月4日
 ラスベガスは2010年までに、海外からの訪問者数を2007年の470万人から15%増、180万人増をめざし、海外での活動を強化する。2008年には総客室数が13万7000室、2011年には16万5000室に増えていくことが見込まれているものの、客室数1000室増で20万人の誘致を図る必要がある。このため、アメリカ国内市場に限らず、海外からの訪問者数のシェアを高めていく。

 現在、ラスベガスの海外からの市場はカナダ、メキシコ、英国で70%を占めており、この3市場を主要市場と位置づけ。日本を含む、ドイツ/EU、韓国、オーストラリア/ニュージーランド/東南アジア、アイルランドを主要マーケットと位置づけ、この伸びが今後の客室量の増加に対応する成長力と想定。これらの市場では、各オフィスが市場特性にあわせたプロモーションをしていく方針。日本市場について、ラスベガス観光局マーケティング担当シニア・ヴァイス・プレジデントのテリー・ジシンスキー氏は現在、日本の海外旅行が伸び悩みを見せているが、「ラスベガスをプレミアムのあるデスティネーションとして認知を維持し、短期的な伸びではなく、長期的な視野を持ち、伸びるときがある」と述べ、戦略的に取り組む。また、新興市場には中国、インド、ブラジル/南米、ロシア/東欧を位置づけ、これらの地域での取り組みは3年から5年程度の中・長期的な期間で強化を図る。

 また、アメリカではサブプライム問題による景気の減速が懸念されているが、これについてもジシンスキー氏は、「コンベンションへの影響として、半年から1年半ほどは非常に厳しい時期を迎えるかもしれない。ただし、大局で見れば、今後のコンベンションは明るいだろう。需要の増加に対応し、客室の増加に対応している」と語り、大きな影響には及ばないとの考えを示した。


▽空港の容量拡大も検討へ

 ラスベガスのホテル客室数は増加していくが、長期的な視野から、マッカラン国際空港の保管として新たにアイバーン空港で年間3000万人から3500万人に対応し、その第1フェーズとして1800万人程度の規模に対応する容量を2017年をめどに取り組む計画にも言及した。