中国から初の「修学旅行」、427名が訪日へ−今後も拡大の可能性

  • 2008年5月16日
 中国国家観光局によると、5月31日から6月7日にかけて、中国から日本への「修学旅行」が初めて実施される。訪日するのは北京の「北京第四中学校」に通う高校2年生で、一学年の生徒407名と引率者20名が6通りのコースに分かれて、東京や名古屋、大阪、九州を訪れる。従来、中国からの教育旅行は、学校が募集して希望する生徒が参加するかたちが多く、「一学年全員が同時に動くことは初めて」(中国国家観光局首席代表の范巨レイ氏)という。初めての「修学旅行」が成功すれば、他校も追随する可能性は十分にあり、観光局としてもメディアに紹介するなど、相互交流の拡大を後押しする。

 今回の団体を取り扱う日本側の旅行会社は、JTB中国だ。現地旅行会社が学校から受注し、JTB中国に手配を依頼したもので、427名は規模が大きいという。JTB中国は今後、訪日教育旅行について、需要が拡大する傾向にあり、将来的なリピーター獲得のためにも積極的に取り込んでいきたい考えだ。なお、現在の取り扱いでは、時期は7月と春節前の1月から2月にかけてが多く、一般の訪日客と同様、東京から大阪を訪れる「ゴールデンルート」の人気が高いほか、学校交流やホームステイにも需要が集まるという。また、都市圏から1泊程度で訪れて自然や温泉を楽しめる地方への誘客にも有効で、福島県や新潟県、群馬県、長野県などでは、ホームステイのプログラムをはじめ受け入れ体制の整備も熱心に進めているという。


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