南アフリカ観光局、ビクトリアフォールズ線増便を歓迎−供給不足解消に期待

  • 2008年5月14日
(ダーバン発 弊誌:高橋絵美) 南アフリカ観光局は5月10日、BAコムエアのヨハネスブルグ/リビングストーン線の運航と、ヨハネスブルグ/ビクトリアフォールズ線の増便が決定したと発表した。運航期間は、ジャカランダの花の咲くハイシーズンにあわせ、今年10月の1ヶ月間。リビングストーン線は火曜日、土曜日の週2便、ビクトリアフォールズ線は現行の運航日である火曜日、土曜日、日曜日をそれぞれダブルデイリーで運航する。予約状況によっては、増便や期間の延長も考慮されるという。

 従来、南アフリカを訪れる日本人旅行者は10月を中心とする秋に集中。また、日本人の南アフリカのツアーには必ず、ビクトリアの滝が入っているため、ヨハネスブルグ/ビクトリアフォールズ線の供給座席数が需要に追いつかず、供給不足のためにツアーがキャンセルされる事態が続いていた。南アフリカ観光局によると、昨年のツアーキャンセル数は三桁にのぼるという。

 南アフリカ観光局アジア豪州地域統括本部長のゾレルワ・ムコゾ氏は、「観光局としてとてもうれしいニュース。ジャカランダのシーズンの送客増に期待がもてる」とコメント。また、南アフリカ観光局日本地区代表のブラッドリー・ブラウワー氏は「私が日本地区代表になってから要求していた案件。10月に限らず、今後も継続されるように、サポートしていきたい」と述べた。

 2007年の全世界から南アフリカへの訪問者数は前年比8.3%増の909万881人。そのうち日本人訪問者数は0.4%減の3万1855人であった。南アフリカ観光局では、2010年までに全世界からの訪問者数を1000万人にすることを目標としている。このうち、日本人訪問者数を5万人程度まで引き上げる必要があるとの考えだ。日本人訪問者数は2004年から2006年まで順調に伸びていたが、2007年は減少。ただし、ムコゾ氏は「日本のアウトバウンドが低迷し、どのデスティネーションも落ち込んでいる中、南アフリカは0.4%減にとどまっている」と、他デスティネーションと比べ堅調に推移していることを強調した。

 また、ワールドカップを開催する話題性や、継続的な消費者と業界向けキャンペーンの結果、東京の南アフリカ観光局への問い合わせ件数が増えてきているという。11月に就航が予定されている大韓航空(KE)の仁川/ヨハネスブルグ線にも期待を示し、「確実に南アフリカへの興味が高まってきている。5万人達成に向けての環境づくりが整いつつある」と語った。


▽旅行見本市「INDABA」開催、2010年のW杯を控え参加者14%増に

 南アフリカのクワズル・ナタール州ダーバン市で5月10日から13日の4日間、旅行見本市「インダバ(INDABA)」が開催された。インダバの開催は今年で29回目。2010年のサッカー・ワールドカップ開催を2年後に控え、バイヤー、サプライヤー、メディアを含め参加者は前年比14%増の約1万3700名と、過去最大規模の見本市となった。日本からは旅行会社とメディア合わせて25名が参加した。