ドミニカ、07年の日本人訪問者数が6割増−高品質リゾートのインフラ拡充

  • 2008年4月25日
 ドミニカ共和国観光省日本事務所によると、2007年にドミニカを訪れた日本人旅行者数が前年比59%増の3672人となった。2008年1月から3月までの3ヶ月間では前年同期比で32%増の1000人で推移している。同事務所では日本人訪問者数の増加について、04年からのニューヨーク近郊の日系旅行会社へのアプローチと、JATA世界旅行博の5回連続の参加や日本の旅行会社、メディア、消費者への情報提供などによる認知向上が奏功したと見ている。特に、トレンドの発信地であるニューヨークに居住する10万人の日本人市場に目に付け、ニューヨークで旅行商談会を実施したことで、現地発パッケージツアーの設定が増加。同事務所代表の永見正敏氏は「3年間の活動が実ってきた。次はニューヨークの日本人からドミニカを発信してもらえば、旅行者は増えるのでは」と期待する。

 ドミニカはカリブ海地域で「最も治安が良い国」と呼ばれ、観光の人気が高い。従来は世界遺産のサント・ドミンゴの旧市街を訪れるツアーが多いが、このところ、東部のプンタカナのビーチ沿いが、世界的に注目され、今年9月にオープン予定の「ウェスティン・ロコキ」や、トランプインターナショナルが2010年にオープンする「カップ・カナ・リゾート」など、グローバルなホテルグループの進出も相次いでいる。永見氏は「ドミニカはオールインクルーシブのリゾートが多かったが、既存のリゾートはその質を向上しており、ヨットハーバーやゴルフ場が付帯する泊食分離の複合施設も増えている」と、バラエティ豊かな宿泊施設がそろいつつあることを強調。今後、日本の旅行会社や一般消費者にもアピールしていく考えだ。

 また、永見氏は個人的な意見としたものの「ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)で掲げる新デスティネーションの開発は、複合化も1つの戦略だと思う」と述べる。その理由として、「以前、日本航空や全日空が開発に着手したことで、日本にはカリブ海のイメージがある」とし、ドミニカを含むカリブ海全体をデスティネーションとらえた展開の可能性を示唆した。