サンパウロ州、日本移民にちなんだ現地ツアーなど開発推進−受入態勢整備も

  • 2008年4月25日
 ブラジルのサンパウロ州は、日本人移民にちなんだ現地オプショナルツアーなど、日本市場を意識した商品開発を進めている。特に、2008年は日本からの移民100周年を記念する日伯交流年で、ブラジル各地で多数の記念式典が行われるほか、日本航空(JL)も両国政府が6月に首都ブラジリアで開催する公式記念式典にあわせ、サンパウロ線の臨時便運航を計画しており、ブラジル側は需要拡大に期待を寄せる。また、ブラジル政府とサンパウロ州、サンパウロ市、空港当局が共同で日本人の受け入れ態勢の整備を計画しているほか、ブラジル外務省もビザ取得の過程を容易で迅速にするよう、改善を進めている。

 このほど来日したサンパウロ州スポーツ・レジャー観光局局長のクラウリィ・アルベス・ダ・シルバ氏は、開発中の現地オプショナルツアーについて、日本人の移民が到着したサントス港や、初期に開拓した場所、農園などを訪れるものを例示。このうち農園のツアーは、13ヶ所の古い農園を対象に商品化しており、NHKのドラマ「ハルとナツ」の撮影が行われた農園も含む。また、「ただ訪問するだけでなく、ブラジルの文化や生活を体験してほしい」ことから、歌や音楽を聴けるプログラムや、過去に日本人が持ち込んだ柿などを収穫できるプログラムも用意した。このほか、樹齢1000年を超える巨木を見学できるエコツアーなども提供。さらに、釣りなどのアクティビティやビーチなども提案したい考え。

 受け入れ態勢については、日伯100周年のほか2014年のサッカー・ワールドカップも控え、空港やレストラン、サッカー場、劇場に日本語通訳や日本語を話せる案内スタッフ配置を検討しているという。また、ブラジルホテル産業組合専務取締役のブルノ・秀夫・大森氏は、「サンパウロ州内のホテルは2500軒で客室数は22万5000室。市内では450軒で、ヒルトン・ホテルズやインターコンチネンタル・ホテルズなども進出し、サービスも世界水準」とアピール。また、「今後はホテルで朝食に日本食を置きたい」と具体策を語った。


▽関連記事
日本航空、ブラジルに臨時便を2本運航、6月の日伯100周年記念行事にあわせ(2008/04/16)

メルコスール、訪問者数が堅調に増加、来年は日伯移民100周年が起爆剤(2007/10/31)

日ブラジル交流年で3000名送客へ−JATA日伯観光推進委員会(2007/10/01)