グアム政府観光局、上質なイメージと即効性あるPR展開−人数は現状か上積みを

  • 2008年4月21日
 グアム政府観光局(GVB)は、滞在日数の増加をめざし、上質なグアムをアピールする戦略を継続、中・長期的に訪問者層の多様化を図るとともに、短期的にはピーク・シーズンに対応した需要喚起を継続する。GVB日本代表の光森裕二氏は訪問者数の目標は「現状維持、もしくは少しでも上積みをしたい」と厳しい海外旅行市場の環境を考慮しつつ、打開していきたい考え。

 イメージの変革に向けて、グアム文化大使に草刈民代さん、グアム自然大使に小谷実可子さんを起用し、高級感を打ち出しつつ、気取りすぎない、日本から3時間半で訪れることができるリゾートのイメージの定着をめざす。4泊以上の滞在は10年前から約7%ポイント増で、全訪問者の37%を占め、泊数の増加、ひいては消費額の増加にもつながっているという。こうした傾向は、グアム訪問者の収入額でも現れており、「年収1000万円超が少しずつ、増えてきている」(GVB日本代表の光森裕二氏)という。ただし、課題はソフト面。新しいホテルの登場、施設のリノベーションなどが進むが、「スタッフの質は追いついていない」との考えで、GVB日本支局は本局に対して報告、改善の提案をおこない、GVBとグアム・ホテルレストラン協会と協力して全体の底上げにつなげたいという。また、新ホテルの開業は、他のホテルの従業員教育を改善する動きにもつながっており、ピーアール活動とあわせ、グアムでの上質な滞在を実現してもらうねらい。

 また、さかなクンを「ハッピー大使」に任命し、春の集客活動を展開。今夏についても、旅行会社が店頭で活用できるチラシ、スタンドを作成し、全国の旅行会社に配布する。また、ミス・グアム3名が全国9都市で、各県の知事、メディアを表敬訪問に加え、各都市の支店の店頭でパンフレット配布など旅行会社との協力を前面に打ち出している。既に、札幌、大阪、福岡を訪問しており、今後は5月に広島、仙台、7月に新潟、柏崎、8月に岡山、名古屋、9月は横浜、東京とJATA旅行博への参加で需要につなげたい考え。光森氏は「店頭でビラ配りをすることで、旅行会社と協力して送客する意思が明確に伝えられる」とし、次会計年度でも活動を継続するという。

 グループの誘致、特にスポーツ関係のトレーニング地としての認知も高まっている。水泳では2009年にジュニア・パンパシフィックが1月に開催。2月には国際ロータリー大会を受け入れるほか、3月にはダンスの団体がグアムを訪問する予定だ。また、プロスポーツでは、Jリーグのキャンプが予約を含め9チームがあるほか、プロ野球の自主トレーニング、さらにオリンピック前の日本代表の水泳合宿などが予定。こうした利用についても、継続的に誘致していく考えだ。


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