マリアナ政観、成田発の座席量増加を中期的目標に設定、閑散期対策を促進

  • 2008年4月16日
 マリアナ政府観光局(MVA)は中期的目標として、最大市場である東京のゲートウェイとなる成田発の供給量増加を掲げた。4月15日に開催した東京での「マリアナ・セミナー2008」でペリー・テノリオ局長は、2007年12月21日にノースウエスト航空(NW)の大阪便が復便したことから、「次のステップは成田発の座席数を増加させること」と明言。「直行便は成田、中部、関空の3都市発となり、それぞれロードファクターも高い。また、地方発ではチャーター便も増えている」と、旅行者増加に向けた好要因をあげ「厳しい状況は旅行会社と航空会社とのパートナーシップで逆転でき、利益多い結果になると信じている」と、さらなる関係強化を呼びかけた。

 この方針に向け、現状と今後の戦略をMVA日本事務所マネージングディレクターの早瀬陽一氏が説明した。特に成田便に関しては機材がボーイング747からエアバス330に変更になったため供給量が減少し、08年の1月から3月の座席数は対前年同期比で約40%減。「全体の数値に影響しており、楽観視できる状況ではない」との認識だ。

 このため、まずは4月と5月、および10月と11月の閑散期の対策として、NWとのタイアップによるスプリング・キャンペーンやグループ・キャンペーン、アクティブシニアキャンペーンなど、全市場向けと対象客層を絞った2タイプのキャンペーンを多数展開するほか、「サイパンマラソン」「マリアナ丸かじり」など現地イベントも積極的に紹介していく。「キャンペーンは誘客の目的で企画しているもので、ぜひ商品に組み込んで欲しい。また、現地イベントはセールストークの一助として、売りやすい環境につなげたい」との意図だ。こうしたキャンペーンやイベントでマリアナの認知を高め、継続していくことで年間を通した送客を実現し、安定供給の実現と供給量の増加につなげていく考えだ。


▽大阪復便後の商品は5000円から1万円増額、安売りイメージ解消

 大阪発の市場はNWの復便により、月間で約5500席、年間約6万5000席以上増加。NWの大阪便撤退後には対前年比で20%減から40%減で推移していた訪問者数は、復便後の2008年1月には6%減、2月には4%減と減少幅が縮小している。日本/サイパン間では約38%増の増加となった。

 さらに、供給量以外にも変化した点がある。NWの大阪便は大阪が午前発、サイパンが午後発と、競合他社よりスケジュールが良いため、以前より高額の設定となったのだ。そのため、パッケージツアーの5000円から1万円ほど値上がりしたが、好調に推移しているという。当初、旅行会社からは「(グアムより)高いと売れないのでは」との意見もあったが、実際には「この値段でも購入する消費者がいることが分かった」との反響で、「一度撤退したことで、安売りのイメージが解消できた」とする。ただし、好調でも満席の状況ではなく、今後も搭乗率のさらなる向上が課題となるようだ。