スペイン、世界遺産指定都市は新デスティネーション、滞在日数増加を促す

  • 2008年4月16日
 スペイン政府観光局は4月15日、世界遺産指定都市協会と記者会見を共催、国内に13ある世界遺産指定都市に滞在して楽しむ旅行の魅力をアピールした。世界遺産都市は現在、マドリットやバルセロナなどを拠点とする日帰りツアーでの訪問が多い。しかし、スペイン政府観光局の日本・韓国・台湾地区局長のイグナシオ・ドゥカセ氏は、「料理や伝統行事などが体験でき、イスラムや古代ローマなどの歴史的建造物を美しい街並みの中に保護している13の都市それぞれの多様性が、ほかにはないデスティネーション」であると強調。さらに、「新たな海外デスティネーションを開拓する、というビジットワールドキャンペーン(VWC)の戦略にも通じる」と、日本市場での認知とこれらの都市に滞在する旅行の誘致を求めた。

 世界遺産指定都市協会は1993年に設立。旧市街地全体が世界遺産に指定されたスペインの13都市が加盟している。同協会の会長でクエンカ市長のフランシスコ・ハビエル・プリード氏は、日本人が世界遺産や建築物の鑑賞やショッピングなどの観光を好み、都市での滞在する傾向が強いことから、「その土地独特の文化や付加価値を求める日本人観光客に、(13の世界遺産指定都市は)まさに当てはまる。日本は大きなポテンシャルがある」と、日本でのピーアール展開の理由と期待を示した。また、古城や貴族の屋敷などを宿泊施設に改修したスペイン独自の国営ホテルチェーン「パラドール」のほか、各都市には国際会議を開催できる施設もあるとして、企業の会議での利用やインセンティブツアーを紹介した。

 なお、今回紹介した世界遺産指定都市は徒歩観光に適した規模で、治安もいいという。例えば、イスラムの雰囲気が残るコルドバや、本土とは違った雰囲気を持つテネリフェ島の都市サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナなど、歴史や文化が根付く都市としての見所がある。また、スペインの高速鉄道「アヴェ」や、スペイン国鉄「レンフェ」のほか、高速道路などによるアクセスの利便性も高いのもポイントだ。


▽スペイン、13の世界遺産指定都市
アルカラ・デ・エナーレス、アビラ、カセレス、コルドバ、クエンカ、イビサ、メリダ、サラマンカ、サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、セゴビア、タラゴナ、トレド

▽世界遺産指定都市協会ホームページ
http://www.ciudadespatrimonio.org