フランス、JNTOと共同観光キャンペーン実施−日仏交流150周年で

  • 2008年3月26日
 フランス政府観光局は2008年が日仏外交関係樹立150周年であることを契機に、国際観光振興機構(JNTO)の協力を得て、日本とフランス双方向の交流を促進する共同キャンペーンを実施する。フランスが他国とキャンペーンをするのは初めてのこと。「日本、フランス、こうゆう関係」をスローガンに、広告展開やプロモーション活動をはかり、双方向の送客をめざす。フランス政観マーケティング担当のパスカル・ヴィザンテネール氏は「訪仏日本人客は毎年65万人以上を確保している。ここ数年、減少傾向にあるが、パリでの支出額は1日平均270ユーロで非常に高い」と述べ、日本を重要市場とすることを強調。また、JNTO理事長の間宮忠敏氏も「訪日フランス人客は07年が前年比15%増で伸張。今回のキャンペーンによってさらなる増加を見込む」と期待を寄せる。


▽フランス政観は広告やメディア露出を強化、記念パッケージも設定

 フランス政観はキャンペーンで、特に交通広告やインターネットを利用したキャンペーンを展開する。東京と大阪では4月から6月にかけて、JR西日本や山手線、東京メトロなどでの中吊り広告やポスターを9800枚以上掲示するほか、今回のキャンペーンパートナーのエールフランス航空(AF)やレイルヨーロッパなど13社と広告展開をおこなう。インターネットではキャンペーン特設サイトを開設。日本の旅行会社18社と企画した150周年記念パッケージツアー紹介、フランスについての最新情報コーナーなどを設けるほか、特設モバイルサイトでは記念事業の認定イベントの紹介やクイズ、フランス語会話レッスンなどを掲載する。

 また、フランスと同じく日本との外交関係樹立150周年であるイギリスとも協調し、英国政府観光庁と共同でパリ、ロンドンプレスツアーを実施するほか、2008年度の広報大使としてキャスターの滝川クリステルさんと華道家の假屋崎省吾さん城之内ミサさんを選出。フランス各地での「世界遺産トーチランコンサート」の開催を予定している。このほか、フランスでのホテルの割引やウェルカムシャンパンなど、日本人旅行者向けの特典を用意する。


▽JNTO、日仏観光交流年に設定、4地域への誘致強化

 JNTOは今年を「日仏観光交流年」に設定、訪日プロモーションを強化する。2007年の訪日フランス人旅行者数は13万7700人で、5年間で約1.6倍の伸びを記録しているが、さらなる観光交流の拡大をめざし、フランス人の関心の高い建築などの伝統文化、日本食、温泉などの癒しや健康の3点をテーマに、まだあまり知られていない古都の風情ある金沢、世界遺産の熊野古道と高野山、コンテンポラリーアートミュージアムのある香川県の直島、安芸の宮島の4都市のプロモーションを強化する。富裕層と現代日本文化に関心のある若年層をターゲットに、パリ市内での車体広告を掲載したバスの運行や、交流年特設サイトを開設し、認知を高めるほか、パリの着物展示会の支援や7月の「JAPAN EXPO」などへも出展する。


▽レセプションには冬柴大臣も参加

 記者会見後のレセプションでは、国土交通大臣の冬柴鐵三氏が「日仏交流年を契機に交流を盛んにし、両国の信頼関係をさらに厚くしていきたい」と、挨拶。訪日フランス人観光客が03年の8万5000人から07年は13万8000人に増加したことに対し、関係者に感謝を述べるとともに、さらなる誘致に向けてJNTOがプロモーションを強化する4地域の魅力をアピールした。また、フランス大使フィリップ・フォール氏は、09年にエールフランス航空(AF)がエアバスA380型機を日本に就航させる予定であることに触れ、「訪日フランス人は年々約20%の伸びを示しているが、A380によりさらに日本に来る機会が増えるだろう」と、さらなる交流活性化に期待を示した。

※3月26日11時30分 記事中の内容を一部訂正いたしました。(編集部)

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