インタビュー−カナダ観光局日本・中国地区代表・デレック・ガルピン氏

  • 2008年3月5日
 カナダ観光局(CTC)日本・中国地区代表に1月11日付で就任したデレック・ガルピン氏が、トラベルビジョンのインタビューに対し、今後の方針などを示した。日本の海外旅行市場では、特に長距離デスティネーションで減少傾向にあることに懸念を示しつつ、これまでのCTCの活動でデスティネーションとしてのカナダの「メッセージがうまく伝わっていないのでは」と課題を指摘しつつ、活動の軸足などを語った。

 昨年のカナダへの航空座席数は約14%減となり、それに呼応するように日本人訪問者数は前年比で2桁の減少となっているが、「この流れを反転させる」とし、「年1%増から2%増で増やしていくことができる」と可能性を見出している。それには「山や自然景観以上のものがある」として、これまで以上に各種のアクティビティやライフスタイルを前面に打ち出し、「日本の人々が求めるものがカナダにある」ことを訴えていく。

 傾向を変えるために重視するのは、CTCのパートナーであるエア・カナダ(AC)、日本航空(JL)、ノースウエスト航空(NW)など航空各社との協力をはじめ、日本に事務所を構えるブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、オンタリオ州、ケベック州など、各州の観光局各観光局との協力を強固なものとし、その中でCTCがリーダーシップをとる方向性を描く。ただし、航空座席については「ないわけではなく、市場が動いていけば、当然ながら増えていくはず」とし、まず、1%でも増加する流れに変えることを重視。さらに、好循環していくためには、「CTCにさまざまな人が接触できる環境を作り出していかなければならない」といい、案の段階であるが、消費者に直接対応する窓口について「(CTCが)各国で実施しており、日本でも一年以内に実現をめざしたい」と語り、旅行業界から消費者まで「満足度の高いサービスの提供」を重視していく。

 こうした変化を探る遠因は、市場への対応がすばやくできていなかったという反省にたつもの。現在、予算を組む段階にあることから、プロモーションや広告展開、あるいはイベント参画など決定事項はないものの、「多くの人にリーチできるようにしていきたい」とし、「市場で『カナダ』の露出を増やす」という。このため、首都圏や近畿圏の大手旅行会社をはじめ、地方都市での活動についても検討をしており、まずはCTC日本支局が現在5名である人員の増加を実現したい考え。

 また、旅行業界との協同も積極的な姿勢だ。特にJATA世界旅行博、大阪でのイベントへの参画などを計画しており、CTCが独自に開催する「KANATA」ではカナダ側から新たなセラーを誘致し、バイヤーでは地方都市の旅行会社を含め、これまでよりも多い旅行会社の参画を促していく。さらに、「日本市場の特性を理解した上で、旅行会社を対象としたFAMツアーの開催を積極的に取り組みたい」とし、さまざまな形でアプローチを図っていく。(写真、KANATAでの様子)


▽関連記事
現地レポート:カナダ ランデブー・カナダがケベック・シティで開催(2007/07/05)