中国江蘇省、観光業活性化めざし助成金制度−修学旅行シェアの拡大もねらう

  • 2008年3月3日
 中国江蘇省旅游局は2月29日、中国江蘇省観光懇談会を開催、江蘇省の観光魅力を伝えるとともに、送客や受入れを行う旅行会社を対象とした助成金制度を昨年と同様、適用するという。同局局長の陸素傑氏は「2010年までに観光『強』省とする」と宣言し、ビジネス市場の開拓やレジャー観光商品の企画、修学旅行の共同促進、オリンピックに関連したツアーを強化する。特に、修学旅行は主要ターゲットとして引き続き力を入れていくとし、サービスの質や安全性の高さを背景に、今年度過去最高となる受入をめざす。また、昨年12月から中国東方航空(MU)が成田/南京線を週2便で運航しており、南京から蘇州、上海を巡る周遊型の旅行形態が増加しており、昨年の海外からの訪問者数が512万5000人、うち日本人は最も多い88万4000人を記録した。

 経済発展や交通整備、さらに観光施設やサービスにおいて中国でもトップレベルとされる江蘇省だが、省内外の旅行社の送客に対する積極性が低いという側面があるため、同省では昨年から送客や受入れを行った旅行会社に1日1人送客あたり約23円の助成金を提供する取組みを始めた。中国政府はサービス業の中でも旅行業を最も重要な産業と位置付けており、今年の観光地の開発と施設完備に100億米ドルを投資すること決定している。昨年は9000万円を投入した助成金も、今年は限度額を設定しないまま予算へ組み込み、今後の江蘇省における旅行業の発展と活性化をめざすという。