観光活性化フォーラム
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ウェブは従来型旅行販売を淘汰するか、変化のチャンス−JATA経営フォーラム

  • 2008年2月27日
 JATA経営フォーラム分科会E「Webはどこまで従来型旅行販売を淘汰するか?」で、ウェブは旅行業に100%影響を与えるが、淘汰するものではなく変化を促すもの、大きく変化するチャンスとの認識が示された。

 コメンテーターとして登壇した阪急交通社営業統括本部営業企画部長の酒井淳氏は、同社が02年にツアーのオンライン予約、06年に宿泊予約サイトを開始した実績から、Webを取り入れるメリットを説明。同社の募集型企画旅行のうち、ウェブの売上げは3%だが、取扱人数に占める広告費用が従来型と比べ大幅に少なく、また、予約ツールとしては24時間対応が可能でピークが夜9時と、TEL予約やカウンター対応外の時間をカバーできることとした。

 また、PTSトラベルナビの取締役店舗営業本部長の倉谷嘉広氏は、「影響を受けるだけでなく、変化に機敏に対応することが大切」と指摘。顧客がWEBで情報を検索してから来店するようになったと変化を述べ、「店頭でプロの情報を提供し、お客のニーズに落とし込むことが、特に団塊世代の高額商品で有効。自らの立ち位置をしっかり定め、サービスと質を高めれば利益増に繋がる」という。そのポイントとして、地域やお客の視点で役に立つ「コンピレーション」と、入居するショッピングセンターなどの役に立つ「コラボレーション」、ファーストコンタクトでニーズを把握する「コミュニケーション」の3つのCをスタッフがそろえれば生き残れると力を込めた。

 また、じゃらんを運営するリクルートの国内旅行カンパニーMP部ネット企画グループゼネラルマネージャーの出木場久征氏は、海外の予約サイトの現状を説明。アメリカの次に日本からのアクセスが多く、日本のユーザーが日本の旅行サイトに物足りなさを持っている証拠だとした。また、エクスペディアなどの海外のネット予約サイトの進出に「危機感がある」とし、「例えば、ヤフーやグーグルなどのポータルサイトとエクスペディアなどとの連携もありうる」といった可能性も示唆した。