観光活性化フォーラム
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グローバルスタンダードへ向け従来の商習慣の見直しを−JATA経営フォーラム

  • 2008年2月27日
 JATA経営フォーラム分科会C「海外から見た日本市場−ニッポンのポジショニングを考える−」で、成熟したマーケットといわれる日本の海外旅行市場を各国が現在、どのように捉え、どのように対応していくべきかをテーマに、日本の従来からの商習慣見直しの必要性が語られた。

 コメンテーターの日本旅行営業企画部海外旅行事業部担当部長の浜田輝明氏は、海外から見た日本の課題のひとつに世界との商習慣の違いを挙げ、ホテルの仕入れで手仕舞いが遅いこと、アロットの消化率が低いことなど、海外の印象を下げている要因を指摘。相互の信頼と理解を得るため、従来の商習慣を見直し、販売責任や仕入れ責任を持つことでグローバルスタンダードに追いつくことが重要だと訴えた。

 ホテル業界の現状と課題について、マリオット・インターナショナル本部長の勝野邦男氏は、現在も日本の旅行会社の信用力、日本人旅行者の質は海外から高い評価を得ているとした上で、日本からの旅行者が減少し、近隣のアジア諸国からの旅行者数の増加で相対的に日本の位置が下がってきているとした。グループ取扱いは、特に他国との差が鮮明だ。近年、需要が伸びる中国や韓国の旅行会社の場合、意思決定が早く、かつそのグループが何をしたいかが明確であることから、初期段階で8割から9割は内容が確定する。一方、日本の旅行会社の場合、とにかく客室を押さえ、後から宴会会場や朝食の依頼を出したり、依頼済みの内容をキャンセルしたりするケースが多く、ホテル側は対応に追われる。勝野氏は、客の希望をただ伝える伝達係ではなく、積極的な提案をする営業の必要性を説いた。