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イタリア中部、芸術の豊かさをアピール−展覧会にあわせ日本人誘致を強化

  • 2008年1月28日
 イタリアの中部、マルケ州、トスカーナ州、ウンブリア州、エミリア・ロマーニャ州の4州からなる中央アペニン地方連合の役員イリアス・タジアス氏が来日、同地方の芸術と文化の豊かさをアピールした。同地域はラファエロやミケランジェロなどの芸術家の生誕地があり、イタリアの中でも「芸術の発祥地」として知られる。美術館や博物館が多いほか、民宿からアグリツーリズムや中世の建物を改装したホテルなどの充実した宿泊施設、有機農法による農産品など、芸術と文化、食を魅力として、誘客活動を積極的に展開している。


 さらに今年は、中世のマルケ州ウルビーノの公爵「フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公」のグッビオ城館内にあった小書斎(ストゥディオーロ)を復元、初の展覧会を唯一の海外展示として3月に日本で開催する。15世紀に作られた同書斎は壁面の寄木細工が有名で、本物はニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されているほど芸術的価値が高く、複製品は10年の歳月をかけて当時の技法を忠実に守って作り出したもの。日本での展示後は、08年中にウンブリア州のグッピオで常設展示する予定。その際は、最近発見され、修復中のラファエロの幼少期の作品の絵画展示とあわせ、大々的なイベントを開催する予定だ。タジアス氏は「この繊細美を見ていただきたい」と述べ、「フィレンツェ、ローマ、アンコーナ、ペルージャ、ボローニャの5空港がハブとなり、アクセスしやすい。特に、ローマやミラノでは物足りない人々に、ぜひ訪れて欲しい」と呼びかけた。

▽イタリア政府観光局(ENIT)はプロモーションを計画

 同地域連合の4州を訪れる観光客の数は沿岸部を除き、07年は100万人の延べ500万泊。半分が海外からの旅行者で、ドイツや北欧、アメリカが多いが、日本人も近年増えており、全体の5%ほどだという。ENIT日本・アジア・オセアニア支局長のエンリコ・マルティーニ氏は、「調査によると日本人のイタリア観光の最大の目的は芸術と文化にふれること」と述べ、同地域が芸術作品が集中し、人々のメンタリティも芸術的であると、日本人観光客のニーズに合致していることを紹介。小書斎の展覧会の開催にあわせ、日本の旅行業界向けのプロモーションを展開する意向を明かした。


▽フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公の小書斎(ストゥディオーロ)展覧会
 中部イタリアにおける人文主義とルネサンス

日時:3月29日〜4月20日 午前11時〜午後18時(入館は閉館の30分前まで)
会場:イタリア文化会館 エキジビションホール
観覧料:500円
展示内容:フェデリーコ公の「グッビオのストゥディオーロ(複製)/フェデリーコ公の聖書(複製)/モンテフェルトロ公国のオリジナルのルネサンス陶器15点/ピエロ・デッラ・フランチェスカ著「絵画の遠近法について」の複製など