JATAとHTA、日本発ハワイ需要喚起で合意−2011年まで150万人超をめざす

  • 2008年1月28日
 日本旅行業協会(JATA)とハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)は日本ハワイ観光促進協議会を設置、今後の活動に関して覚書(MOU)を締結した。協議会は日本とハワイの旅行業関係者で構成し、ハワイへの日本人観光客の需要喚起をめざしたマーケティング、および販促活動を目指したもの。目標として、日本からハワイへの送客目標として2008年は128万人、09年133万人、10年143万人、11年154万4000人を想定。また、ハワイ州が重視する平均滞在日数は現在の5.57日から6.6日、消費額は270ドルから310ドルとそれぞれ増加を目指していく。

 JATA会長の新町光示氏は「最盛期の220万人から約100万人が減少している。日本とハワイの旅行業関係者が意見交換する場も無くなったが、拡大基調で取り組む必要がある」と語り、ハワイを成功に導き、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の成功につなげ、海外旅行市場の盛り上げ、雰囲気づくりに重要なデスティネーションであるとした。

 HTAレックス・ジョンソン氏は「ホノルルマラソン、ソニーオープンなど日本企業がスポンサーとなるイベントも多い。日本とハワイの旅行業のリーダーたちが年2回集まり話すことは重要。マーケットの維持だけでなく、拡大に期待をしたい」と語り、協議会の開催でレジャー、ビジネスにとらわれず、市場の活性化に期待を示した。


▽新たな取り組み、考え方も必要

 第1回協議会は4月ごろをめどに、ハワイで開催する方向で調整している。ハワイは日本市場の全体の鍵を握るデスティネーションという認識から、検討している施策では地方発のチャーター便の活用などが柱として盛り込まれている。チャーター便は2008年に片道ベースで年200便、以降毎年100便ずつ増加を目指す。その一方、定期便は今年からマウイ島への直行便の就航を促し、2年後にハワイ島への直行便の増便、あるいはマウイ島への直行チャーター便の運航を目指している。さらに、顧客の対象別に実施する項目を設けており、今年はハワイ州観光局(HTJ)がめざす「So much more Hawaii」のプロモーションと連動し、従来から懸案である閑散期のイベントとしてフラ・イベントへの協力などを盛り込んだ。また、HTJが大韓航空(KE)などと協力して、日本の地方都市から仁川空港を経由してハワイへ訪れるルートを開発しているが、こうした動きを協議会として後押しをしていく。

 ただし、ハワイを盛り上げる業界全体の動きにつなげるため、協議会には旧来のホールセラーを中心とした旅行会社だけでなく、リテールやインターネット旅行会社も巻き込んだ活動としても良いのではないだろうか。東京、大阪、名古屋にあるハワイ会を形成する大手ホールセラー等を中心としているが、今年はネット系大手の旅行会社がハワイ特集を準備しているとも聞く。ネットを活用した海外旅行のレジャー需要はさほど大きくはないものの、仕事の効率化、消費者の興味関心を引き立てるノウハウは活かしたいところ。こうした需要喚起の場に、新たな発想を取り入れている旅行会社も交えていく必要があるのではないか。(鈴木)


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